中途半端なタイミングだけど、先週読み終わってそのままになっていたのでレビューを・・・。
「夏の終り」瀬戸内寂聴
当時まだ瀬戸内晴美だった彼女が昭和38年に発表した代表作。
図書館で本を借りる時間がなかったので、実家から持ってきていた本で繋ぎ読書。
<内容>(「BOOK」データベースより)
妻子ある不遇な作家との八年に及ぶ愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲にも満たされぬ女、知子…彼女は泥沼のような生活にあえぎ、女の業に苦悩しながら、一途に独自の愛を生きてゆく。新鮮な感覚と大胆な手法を駆使した、女流文学賞受賞作の「夏の終り」をはじめとする「あふれるもの」「みれん」「花冷え」「雉子」の連作5篇を収録。著者の原点となった私小説集である。
<感想>
要は不倫小説。主人公の知子はバツイチで、元旦那とは自分の不倫(しかも元旦那の部下(涼太)と)で離婚しています。離婚後、すぐに涼太とは別れ、妻子ある別の男性(慎吾)と8年に及ぶ不倫をしますが、涼太が再び現れるとまた彼に惹かれてしまう。知子を中心として物語は進むので、いかにも知子が2人の男性の間で苦悩している風に書かれているけれど、私としては、どこまでいっても”いや、不倫じゃん・・・”と思ってしまい、共感は全くできず、慎吾の妻は知子の存在を知っていて週の半分を知子のところで過ごす夫を黙認しているというのも理解に苦しみます。。
不倫ものの物語の多くは不倫相手側にフォーカスされていて、大抵その男女の報われない恋の方を美化するけれど、私には、なに悲劇のヒロインぶっちゃってるんですか、としか映らなくてあまり楽しめないのです。(不倫してみたら分かるのかな笑)
また脱線してしまいましたが、まぁ内容はさておき、文章がとにかく綺麗なので全編通して全くドロドロした感じはなく、優美で切ない。「別れ話ができないのは8年間の週間よ。愛なんかより、週間の方がずっと強いものだっていうことが、今度つくづく分かったわ。」という知子のセリフにははっとさせられるものがあり、全体を通して文章を味わって読みました。
余談だけど、読み終わった日の夜にたまたまテレビをつけたら、瀬戸内寂聴(おんとし95歳)の密着をしていて。
とにかく豪快で、出家しているのに肉は食べるわ、酒は飲むわ。このおばあさんがあんな繊細で優美な文章を書くのか・・・と改めて驚きました。
瀬戸内寂聴といえば、2008年(当時86歳)、ケータイ小説が流行っていた頃に「ぱーぷる」のペンネームでこっそりサイトにケータイ小説を投稿して話題になっていたけど。そもそも86歳でケータイ小説を書いてみようと思いつくことに驚いたし、当時、私は「ケータイ小説なんて・・・」と馬鹿にしていたふしがあって。でも瀬戸内寂聴が"読みもしないでそんなことは言えないからたくさん読んでみた""これなら自分にも書けそうだと思って若者言葉を勉強して書いた""ケータイ小説も文学の一種ですよ"というような意味合いのことをインタビューで答えていてひどく感銘を受けて、なんか読みもしないでただ批判している一般人のわたしってダサ・・・とめちゃくちゃ恥ずかしくなった、そんな思い出。わたしと寂聴。それだけです。
余談のが長い。
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