山の夕食は早い。17時30分になると館内放送が流れて夕食が始まる。食堂は来た順番で奥から着座する。原則的に1つのお櫃と味噌汁の鍋を4人が囲むようになるのだが、1人とか3人の宿泊者もいるので、ただ単に来た順というわけではない。4人組は4人で組めるような配慮はある。

わしらは生ビールを発注。すでに料金は支払い済みなので、これらの発注は現金と交換で行われる。中ジョッキで700円。
食事のほうはこの通り。秘湯の宿である前に、山小屋なのだ。たまたま同じお櫃を囲んだのは岩手から来たご夫婦で、JR東日本の大人の休日クラブを利用して来たそうだ。目的は登山である。前日は山小屋泊まりで、久しぶりにまともな物が食べられたと喜んでおられた。
話をしているうちに、わしももうすぐこの大人の休日クラブが使えるようになるのだなということに気がついた。今回ご夫婦が利用したのは指定された期間の中で4日間乗り放題の切符。新幹線だって利用できちゃう優れものなのである。
同じ釜の飯を食った同士ということもなかろうが、楽しく歓談しながらの食事であった。

そして、食事中に日が暮れてゆく。

夜の帳の下りた蓮華温泉ロッジ。食後、ずいぶん野天湯に向かったようで、玄関にはスリッパがいっぱいだった。わしは酔っぱらったので、広場のベンチで煙草を吸ってボーっと空をみていた。そんな人も数人いた。

空には遠くに稲光が見えていた。でも音は聞こえなかった。こっちに来るのかなと思って眺めていたけれど、結局こちらにはやってこなかった。
やがて酔いが冷めて来たので、野天に行こうと行動を開始した。ロッジは9時を向かえ、館内放送が消灯を告げていた。玄関にいっぱいあったスリッパはもうすでに無く、早立ちの登山者達は眠りの中にさえいたようだった。
ちょうど十六夜の月で、南の空は晴れていたので明るかったのだが、登山道は樹木に遮られて漆黒の闇であった。できれば仙気の湯まで行くつもりだったが、もう誰もいない闇と、動物の気配に怖気づいたというのが本当のところ。昔、土樽から蓬峠に深夜に登っていって、熊出没注意を見て怖気づいたことが記憶に過ぎった。

たどり着いた黄金湯。すでに入浴目線。

そして昼間取れなかった足の画像(笑)。
このあと再び広場で空を見ていた。夜は長袖が必要になるかなと思っていたけれど、そこまでのことはなかった。そしてもう誰も入っていない内湯にさっと入って寝た。23時であった。
蓮華温泉の朝へと続く