俳句会のイラスト絵を見て、秋刀魚を詠んでみた。
先ず第一に思い出すのは、佐藤春夫の「秋刀魚の歌」でした。
皆さんご存知のように、近代日本詩人・作家で随筆・詩・小説・短歌・翻訳で詠まれたことがあると思います。筆名は潮鳴、沙塔子、雅号は能火野人です。
〇佐藤春夫 「秋刀魚の歌」
あはれ
秋風よ
情〔こころ〕あらば伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとり
さんまを食〔くら〕ひて
思ひにふける と。
さんま、さんま
そが上に青き蜜柑の酸〔す〕をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
そのならひをあやしみてなつかしみて女は
いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。
あはれ、人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児〔こ〕は
小さき箸〔はし〕をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸〔はら〕をくれむと言ふにあらずや。
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久々に大根引くや初秋刀魚
上手く詠めたと思ったら、季重なりでボツ。
動詞の大根引くや(季語)を、形容詞に変えたら
久々に煙のなかに初秋刀魚
ありきたりで面白くない表現や。
これなら、満腹感も出て幸せそうでしょう。
久々に口にほおばる初秋刀魚
ぼうぼうと焼き悴れしや初秋刀魚
秋刀魚焼く順番待ちの長皿を
ぼうぼうと小振りなれども初秋刀魚
2句選んで、俳句会に投稿した。
