前々回の『GAP』ではたくさんのコメント、リブログをありがとうございました

心より感謝致します。
名の知れた有名なカメラマンですので、批判を覚悟の上でアップしました。
思っている以上に皆さんの中でも違和感を感じられている方が多いことに正直驚いています。













この仔はTNR(野良猫の繁殖制限の為、不妊手術済みの印に耳を桜の花びら型にカットされた猫)された、さくら猫です。
私はTNRをしているので、尚更感情移入してしまうのだと思います。
穏やかで幸せそうな写真集には先ず掲載できない、いやあえて載せない写真です。
でもこれが野良猫の真の姿だということをどうか忘れないでください。
こうして人知れず、多くの野良猫は生き絶えてゆくのです。
綴っている今も、この子を見ると涙が止まりません。
一代限りの命を見守る。
裏を返せば命が尽きるまで見届ける、あるいは姿は見えずとも思いを馳せるとでもいいましょうか。
以前、野良猫が嫌いな方にきつく文句を言われた際、もう繁殖しないです、トイレも設置しますし、餌も片付けます!
と、餌やりおじさんと共にあれこれと話してみたのですが、とにかく野良猫を見たくない、迷惑だから何処かに連れて行ってくれ…と全く聞く耳を持ってくれませんでした。
「猫の餌やり禁止!」の看板をよく目にしますが、先ずは「猫を遺棄しないで下さい!」ではないですか?
何を言っても響かず、私は遂にトドメの言葉を放ちます。
「野良猫は寿命が2〜5年です。
不妊手術しましたから、繁殖もしません。
いずれ死にますからせめてそれまでの間、生きることを許して頂けませんか?」
死にますから、、
この言葉を聞いた途端、彼の表情が変わりました。
僅かに残る良心に突き動かされたのか、
彼は無言で立ち去りました。
ようやく納得して下さったのです。
こんなことを伝えるのは悲し過ぎます。
野良猫の写真を撮り、過酷な現実を理解してもらおうと活動されるグラフィックデザイナーの新貝直人さんをご紹介したいと思います。
*ねりまねこさんのブログで、福岡県獣医師会にて新貝直人さんの電子ブックが紹介されています!
詳しくはこちら→☆
いつも長文になってしまい申し訳ありませんが、よろしければお付き合い下さいませ。
新貝直人さんのブログから〜
「野良猫を増やし兼ねないメディア」
日本のメディア、特に出版物は、しばしば野良猫のことを屋外で暮らす、自由で楽しい、可愛い動物というように紹介する。
雑誌が猫特集を組むときに、次のようなタイトルの記事を書く。
「東京の幸せな猫街」「猫たちの楽園島」
「楽しい外猫めぐり」
また数多くの写真集によって幸福な野良猫というイメージが大量に流布される。
ある猫写真展に行った時、ポスターとチラシで使用されていた写真は、飛んでいる猫だった。
前回GAPでご紹介した岩合氏のお馴染みの写真ですね。
その写真は一見すると素晴らしい。
尻尾は垂直に立ち、背景は青空である。
しかし僕は猫の顔に違和感を覚えた。
目に生気がないのだ。
この猫は楽しい気分で飛んでいるのだろうか、と僕は不安になった。
けれど人々は大雑把な印象に笑むのである。
新貝直人さんはあえて、下に飛ぶ猫を激写。
上に飛ぶ有名写真家と対比している。
猫を探して街を歩き、幸福そうな猫に出会い、撮影し、その写真を猫好きな人たちとシェアするのは楽しい。
しかし僕はだんだん苦痛になった。
幸福な猫よりも、気の毒な猫の方が明らかに多いからである。
撮影した10匹のうち、見栄えの悪い7匹をお蔵入りして、残りの3匹を写真共有サイトにアップロードする、という行為は野良猫たち全体を裏切っているような気がした。
僕は彼らを代弁するような写真を撮れないかと考えるようになった。
6年間野良猫の撮影をして、僕はひとつの結論にたどり着いた。
それは自分でも思いもよらぬものだった。
猫は路上にいるべきではない、というのがそれである。
猫は全て人の家の中でぬくぬくしているべき生きものなのだ。
僕はこのことを、街路で拾った老猫から教わった。
片目が潰れた野良猫
野良猫や小鳥に餌やりをする人の中には、人間と活動が共生する理想像を求めている人がいる。
しかし、これは間違っている。
街は動物を排する様式で作られているからだ。
アスファルトとコンクリートは動物の糞尿を分解しない。
猫は人間が選別、育種した非野生動物で、その脳は体が成熟しても、幼児のままである。
路上暮らしをしている幼児、というのが、野良猫の実情なのだ。
日本の自治体は、40年以上に渡り、毎年何万という野良猫を殺処分して来なければならなかった。
野良猫を遠目に眺めて、手放しに賛美してきた風潮の裏には、このような事実がある。
その風潮を作るのに、メディアは今も一役買っている。
一貫して幸せな野良猫像を撮り続ける知る人ぞ知る岩合氏は、一体何処に向かおうとしているのだろうか。
日本は野良猫天国で、お金もかからず気楽に、気軽に撮影できる環境だ。
そんな彼も世知辛い世の中を憂いて、いずれ野良猫に思いを馳せる日が来るのだろうか。
それとも稼ぎどきとばかりに猫ブームに乗っかり、それで得たお金で本来の野生動物写真家としての渡航費、滞在費、ツアーガイド代などの多額の資金を稼ぐのが目的であるとしたら、
やはり野良猫を商品そのものとして捉えているのに違いない。
そうして被写体にはなり得ぬボロボロな野良猫と遭遇した際に、彼が次なる見映えの良いターゲットの猫を求め、見て見ぬフリをし立ち去っているのだとしたら、どうかと思う。
本当に猫を愛しているのなら。
ましてやお金を頂く職業にしているのならば、
野良猫の幸せな姿ばかりではなく、過酷な現実を伝えるのもまた、使命なんだと思う。
そうして初めて、誰もが認めるプロフェッショナルになるのではないだろうか。
よって猫は野生動物ではない。
写真を撮るなら、家で飼われている幸せな、穏やかな姿の猫だけでいい。
野良猫を被写体の対象として、写真を撮ることを生業とすることがいつまでも続くようじゃ、
また儲けるようじゃいけないんだ。
最後に著者のあとがきから、、
「僕の猫写真は、人を癒さないだろう。
しかし厳しい生活を送る野良猫に、豊かに暮らす人間をさらに癒す義務などあるだろうか。
むしろ人間が猫を癒さなければならない、と僕は考えた。
この東京に住む野良猫の等身大の姿を追い求め、約3年に渡って撮影した写真集です。
写真家というよりは、野良猫の代弁者として彼らの世界を美化することなく写そうと試みました。
寂しい野良猫を通して見えるのは、寂しい人間たちの姿でもあります。」













新貝直人さんが作られた「おうちに帰ろう」の啓発アニメーションです。
野良猫の知られざる厳しい実情を、野良猫目線でわかりわすく描かれています。
是非ご覧くださいね! !














