先日の授業参観でのこと。
教室の壁、棚の上には、ところ狭しとカラフルな夏休みの工作、絵画、自由研究、読書感想文などで埋め尽くされていた。
その殆どは、理科の実験だったり、歴史、世界遺産、環境問題など様々だ。
授業は道徳。
私は授業そっちのけで、壁の一部分をただ ひたすら凝視する。
そう、娘の初めての自由研究を見るために。
母の影響からか、娘は自らサクラねこを題材に選んだのだ。
猫屋敷のサクラネコーズ

おばあちゃん、猫嫌いなお嫁さんがよく見えるよう、獣医師に大きめに耳をカットして頂いています。
仔猫の時に早期不妊手術したキキ
始業式で早速、隣の男子が「何 それ?」と聞かれたらしい。
娘はここぞとばかり、懇切丁寧にサクラねこのことを説明したそうだ。
捕獲器を抱え、TNRを間近で見ていた娘の説明は、さもリアルだったに違いない

男子は「ふう~ん」とわかっているのか、わかっていないのか微妙な反応だったらしいけれど。
小4だし、そりゃぁ そうだよね

でもなんとなくでも、伝わればいいんじゃない?と。
それと大事なことが一つ。
「もしかして、クラスのお友達の中に、ペットショップやブリーダーの仕事をしているお父さん、お母さんがいるかもしれない。
絶対こうじゃなきゃいけない、、とは言わず、殺処分される可哀想な動物の為に 私はこれをみんなに勧めよう!でいいんじゃないかなぁ。」と付け加えた。
大学を出てまだニ年目の若い担任の男性教師も初めて知ったようで、じっくり見て、「先生、知らなかったよ。
耳がカットされているんだ⁈」と驚いていた様子。
娘はまたもや、得意げに説明したようだった。
また読書感想文には、これまた猫の「多摩川に捨てられたミーコ」を選んだ。
多摩川でホームレスと一緒に住むミーコの実話の物語だ。
遺棄は犯罪です

親しいママ友が、早速娘の自由研究に気づき、「耳をカットするの?
増えないようにか、、今度猫がいたら見てみるね!
○○ちゃん、優しいね!」と言ってくれた。
懇談会が始まる前、今度は熱心に生徒の作品に足を運び、見つめる保護者。
どうかたくさんの保護者に、残酷な現実、サクラねこを知ってもらえますように。 。 。
祈るような思いだった。
後日それぞれの部門で賞が選ばれた。
娘は選ばれることはなかったけれど、少なくともみんなの目には焼きついてくれたはず。
現に仲良しのMちゃんからは、「今度飼うときは可哀想な捨て猫にするね!」と言ってもらえたらしい。
こんな嬉しいことはない。
ささやかなことで、誰かの意識が変わる瞬間だった。
下校の道すがら、二人でトボトボと通学路を歩く。
娘に何と言おうか、言葉を探していた。
でもなんだか、うまい言葉かみつからない。
君の後ろ姿を、ただボーっと見ていた。
小さな背中が、今日は少しだけ大きく、輝いてみえた。
「○○の作品は、日本一だったよ! !」とだけ伝えた。
振り向くことなく、歩き続ける君がいた。







大五郎



