side にのちゃん
睨んでたみたいな目つきから
少しずつ力が抜けて
黙ったままのオレに
何やら勘違いをはじめたらしく
じんわりと涙が浮かびはじめた。
目いっぱいに膜が張って
こぼれる前に
止めてあげなきゃ、
と
焦るオレ。
「あ〜、あのさっ。
結婚するのって
もう決めてたじゃん!
えっ?
違ったの?」
わぁ、
もう
こぼれそう。
決めてたし!
前にも言ったし!
「だよね?
じゃ、なんで今
そんな必死なのさ」
そう、言ってみてわかった。
なんか
必死なのよ、
今夜のこの人。
オレの両肩に手を置いたままで
両目をシバシバさせて
あのね、
ちゃんと両方の父ちゃん母ちゃんに
挨拶して
お願いして
そんで
一緒になりたいの。
そこはさ、
勝手に同棲とかじゃなくて
そこはね、
認めて祝ってもらいたい。