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(和)

 

 


だんだん日が暮れてきて

 

大ちゃんから離れたことに

 

どうしようもなく不安を覚えて

 

身体がブルブルと震え出した。

 

 

 

お布団・・・被ろう。

 

 

 

布団を敷いて寝転ぶと

 

裸電球が目に入った。

 

シミの付いた安っぽい壁紙に

 

風でガタガタ揺れる窓枠。

 

 



 

ここに・・・囲ってくれへんかな・・・

 

 


 

「愛人」という言葉を知っていた。

 

 


 

大ちゃんにお嫁さんが来ても

 

お子さんが産まれても

 

こっそり秘密の関係でいられたら

 

大ちゃんとは別れなくて済む。




世間さまは許さへんやろけど・・・

 

 

 

 

こんなにも痛い。

 

僕の心と身体がバラバラになるみたいに

 

痛くて痛くて・・・

 

大ちゃんのお布団にくるまっても

 

大ちゃんの匂いに包まれても

 

僕はこの星の上に

 

たったひとりで・・・

 

 

 

 

家族の幸せに耐えられなくて

 

大ちゃんの光側へ添うのに耐えられなくて

 

自分勝手に逃げてきたのに

 

こんなに弱いなんて・・・

 

 

 

よう動かんかった。

 

携帯電話は何度も着信を告げたけれど

 

反応できんかった。

 

自分から逃げたんやもん。

 

もう・・・甘えたらあかんねん。

 




影は影らしくせんと・・・

 

 

 

そう思って

 

お布団の中で

 

小さく小さく丸まって

 

もうこのまま・・・

 

父さん母さんのいるところまで

 

逃げてしまえたらええのに・・・

 

 

 

なんて。

 

 

 

あかんあかん。

 

大ちゃんの迷惑になるから。

 

自分のこと

 

ちゃんとせんと。

 

 

 

 

USJは光が強すぎて無理や・・・

 

この先は。

 

ここに居させてもらって雀荘か。

 

あるいは。

 

高野山へ行って世捨て人か。

 

 

 

 

それでも。

 

心の中、一番占めていたのは

 

やっぱり大ちゃんへの未練やった。

 

どこまでも浅はかで

 

どこまでも厚かましい僕は

 

 

 

 

「愛人」になるには

 

どうしたらええんかな・・・

 

 

 

 

そんなことを考えていた。

 

 

 

 

だけど・・・

 

こんなことをしでかした僕を

 

大ちゃんはもう赦さないかもしれない。

 

 


 

「愛人?笑わせんな」

 

 

 

そう言われるかもしれない。

 

自分から背を向けたくせに

 

本当に終わってしまうのが怖くて

 

怖くて・・・怖くて・・・

 

もう息をするのさえ苦しくなっていた。

 

 

 

 

大ちゃんなしには

 

呼吸さえ碌(ろく)にできない・・・

 

 

 

身動き取れなくて

 

元に戻ることも

 

先を見据えることもできなくて





それでも。

 

誰かに分かってもらおうなんて


これっぽっちも思わなかった。


逆に。


世間さまに知られたくない。


興味本位に暴かれたくない。


誰にも・・・よその人になんか


誰にも土足で入り込んでほしくない。


この胸ひとつに秘めておきたい・・・


こんな自分を見せたくない。



 


朝になったら前を向こう。





なんて・・・


精一杯の強がりをして


お布団の中で震えながら


ただ秒針の音を聞いては


息を吸って吐いて・・・





苦しくて・・・


寂しくて・・・


惨めで・・・


ひとりぼっちで・・・泣いていた。