先にside O♡をお読みください⬇️





☆*:.。. o(≧side N≦)o .。.:*☆

第四章





(和)

 

 

箕面駅へ向かうまでに

 

楓の葉が少しずつ色付いていることに

 

気付いた。

 

小さな秋・・・見つけた。

 



葉っぱの向こうに広がる青空も

 

遠くのせせらぎも

 

僕を迎えてくれた日から

 

毎日のように

 

そこにあったのに・・・

 

離れていく今になって

 

その存在をキラキラと主張する。

 

 

 

大ちゃんも・・・見るよね・・・

 

この・・・景色・・・

 

 

 

 

全てを目に焼き付けておきたくて

 

駅までの道を一歩一歩踏みしめて歩いた。

 

 

 

 

終着駅に着いた小豆色の電車は

 

行き先を変えると

 

今度は始発駅を出発することになる。

 

 

 

そんな当たり前のことが

 

妙に胸に迫ってきて

 

僕は人知れずこっそり泣いた。

 

 


 

高野山に修行僧へ行くと言うても

 

今から行ったら夜になる。

 

とりあえず・・・今晩・・・

 

どこかに泊まらないと。

 

そう思って

 

地の利のあるいつもの駅で降りた。

 

 

 

当たり前やけど

 

今日はキッチンカーはお休み・・・

 

いつも停めてる辺りを見て・・・

 

そこにキッチンカーがないことに

 

罪悪感を覚えるほどに

 

僕はもう、弁当売りやった・・・

 

 

 

懐かしい商店街の二階を見上げる。

 

 

 

「いつでも戻っておいで」

 

 

 

そう言うてくれた雀荘のオーナー・・・

 

階段横には従業員求む、の貼り紙。

 

これも・・・あり、かな。

 

階段を昇ろうとして・・・躊躇った。

 

 

 

 

よしえさんのキッチンカー

 

すぐに人・・・見つかるやろか・・・

 

 

 

いつも買いに来てくれてたお年寄りが

 

探してくれてるのに気付いた。

 

ごめんなさい。

 

今日はお休みなんです・・・

 

折角来てくれはったのに、かんにん。

 

 

 

 

・・・僕は。

 

自分が間違ったことをしていると

 

どこかで分かってた。

 

 

 

心配をかけてしまう。

 

迷惑をかけてしまう。

 

何より

 

大ちゃんを・・・悲しませてしまう。

 

よしえさんもお父さんも

 

悲しませてしまう。

 

 

 

ちゃんと・・・分かってた。

 

 

 

自分が逃げたことで

 

キッチンカーのことも

 

子ども食堂のことも

 

困らせてしまうと・・・分かってた。

 

 

 

分かっててやってるんや。

 

とことんタチが悪い。

 



トボトボと淀川の堤防沿に出た。

 

いつかのように野球してるのが見えた。

 

カーンとボールを跳ねるバットの音。

 

バットを放り投げて走る打者。

 

お日様を受けてキラキラと輝いてる。

 

 

 

暫くしてゴーっと大きな音が鳴り響いた。

 

川のずっと向こうから

 

飛行機がどんどん近付いてきて

 

僕の頭上を通ったとき

 

そのまま僕を飛行機の影が取り込んだ。

 

もう・・・光の中へは帰れない。

 

いってしまう飛行機を見送って

 

お尻をパンパンと祓うと

 

ひとり・・・淀川沿のアパートへ向かった。


他に行くとこなんかなかった。

 

食欲はなくて

 

なんの欲もなくて

 

ひとり・・・膝を抱えて座りこんだ。

 

 

 


アパートはあまりにも

 

大ちゃんとの思い出尽くしやった。

 


 

 

初めての夜。

 

よしえさんの卵焼き。

 

ままごとのような同棲。

 

ひとりで待った日々・・・

 

 

 

ここのお家賃払ったら

 

ここにおってもええやろか・・・

 

僕に払えるやろか・・・

 

 

 

 

ここに置いてもらえたら・・・

 

なんて・・・

 

僕。

 

最後まで厚かましいな・・・