先にside O♡をお読みください⬇️
☆*:.。. o(≧side N≦)o .。.:*☆
(和)
壇「あの・・・皆さま
玄関先もなんですから・・・
奥さま、どうぞこちらへ」
遠慮深げに壇さんが声を掛けてくれて
よしえさんと僕は一緒に応接室へと
案内された。
壇「珈琲でよろしいでしょうか?」
よしえ「お構いなく」
和「暑いから冷えた麦茶をとってきます」
足を庇いながら立ち上がると
なんとよしえさんがキッチンへと
一緒に行ってくれた。
お父さんも、もれなく付いてくる。
よしえ「あんた。和くんこき使てるやろ」
智父「なんでやねん」
よしえ「台所見たらわかるんよ!」
和「よしえさん、これ見て」
一緒に冷蔵庫を覗き込む僕ら。
僕はお父さんが大事に大事にとってある
よしえさんのお惣菜を見せた。
そして顔を見合わせる僕ら。
よしえ「・・・・・」
麦茶をコップに注ごうとしたら
よしえさんが代わりにやってくれた。
僕は壇さんを促して
台所をよしえさんにお任せした。
ここの、主やもん。
台所でなんやら喧嘩しながらも
お父さんがよしえさんから離れない。
ピッチャーを持つよしえさん。
キャッチャーで受け取るお父さん。
夫婦漫才みたいなおふたり。
阿吽の呼吸のおふたり。
それを・・・
大ちゃんに見せたい、と思った。
なんか心が温かくなったんよ・・・
櫻井さんや松本さんが
お医者さんを連れて来てくれて
僕は足を診てもらえた。
智父「健康保険とか、どうなってるんや?」
よしえ「それは・・・」
キッチンカーは小さな仕事やから・・・
智父「ちゃんとせんとあかん。
櫻井。頼むわ」
櫻井「かしこまりました」
どうやら。
弁護士である櫻井さんが
キッチンカーのお金のこと
お上への届け出のこと、保険のこと
任されたみたいや。
よしえ「和くん。足が治るまで
ちょっと休みなさいね」
和「はい」
よしえ「ひとつ、聞きたいことあるんよ」
じっと見つめられて・・・
僕は姿勢を正した。
よしえ「好きな人の苗字言うたね?」
和「・・・はい・・・」
よしえ「和くんの好きな人って・・・?」
和「・・・智さんです・・・」
嘘はもう、ようつかんかった。
申し訳ない気持ちもあったけれど
僕は本当のことを打ち明けた。
何を訊かれてもちゃんと答えよう。
よしえ「それが聞けたら、満足やわ」
え・・・
よしえさんは、すっと立ち上がった。
拍子抜けしながらも
玄関まで送ろうとして・・・
・・・あ。
いや。
お父さんが見送りに出はる・・・
僕だけでなく
壇さんも、他の人らも遠慮した。
喧嘩をしながら
大ちゃんのお父さんとお母さんが
ふたりでくっついている。
それがとても嬉しかった。
ぺこりとお辞儀すると
満面の笑顔で手を振ってくれた。
もうすぐ大ちゃんも帰ってくるけど・・・
まだその時では、ないのかな・・・
大ちゃんのタイミングで
再会するのが一番よな・・・
その時になったら
大ちゃんを抱きしめて欲しい。
智父「智も帰ってくるで」
それを聞いて
慌てて帰るよしえさんに
なんやろ・・・
さすが大ちゃんのお母さんや。
きっと。
大ちゃんの気持ち
大切にしてくれてはるんやろな・・・
なんて。
そう思ったんよ・・・
