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side O
和「・・・あっ・・・」
智「おっと・・・大丈夫?」
ふらりと倒れこんできたこの人を
咄嗟に手で支えた。
だけど頼りなくて
この腕にしっかりと抱き留めた。
まるで羽が生えているように軽く
女性かな・・・と思うほどに線が細い。
汚い手で触れてしまったことに
申し訳なく思いながらも
その辺に下ろせなくて
抱きかかえたまま庭のベンチに座った。
青褪めていた頬に少し色が戻ってきた。
和「あ、すみません」
智「あ、うん・・・」
手を離さないといけないのに
彼に魅入られてしまって
上手く動けないでいた。
智「・・・すまない・・・」
いや、それでも。
男ふたりでこうして抱き合っているのも
おかしいもんな・・・
ベンチにそっと彼を下ろし
手を念入りに洗ってから
水で冷やした綺麗なタオルを
彼の額にそっと置いた。
和「ありがとう」
智「・・・貧血、ですか?」
和「ちょっと・・・立ちくらみを・・・」
いっつもパソコンに向かって
朝から晩までカタカタやってるもんな・・
既に。
この家の外回りは殆ど仕事を終え
残すはリビングに続く薔薇園だけになり
ここからは・・・
彼の仕事をする姿がよく見えていた。
そして・・・知っていた。
彼が・・・俺をちらちら見ていることを。
その眼鏡の奥から
カーテンの影から
いつでも俺を探して
じっと見つめていることに
俺はとうに気付いていた。
智「病院に送りましょうか?」
トラックならある。
会話が続かなくて
思ったことをそのまま言ってみたけれど
和「・・・いえ・・・」
彼は一言そう残すと
その身を軽く翻して
さっと家の中へと入って行った・・・
その時ふわりと薔薇の香りが薫った。
他でもない黄色い薔薇Nikeの香りが・・・
*ララァさんのお写真です*
次は11時26分あややん家

