(元の世界の智)




対Androidの戦いはどんどん勝ち進んだ。

それぞれ自分のAndroidと対峙した。

まず、潤が先陣を切って

Android潤のリセットボタンを押した。

続いて雅紀が、翔が

躊躇うことなくリセットボタンを押した。

さらには和も果敢にトライして

無事にリセットボタンを押した。

残るはAndroid智だけになった。

俺達は自分達が正しいと疑わなかった。

正義の戦いをしていると信じていた。




潤「こんなにいとも簡単に・・・」

雅紀「どういうことだ・・・?」



残すはAndroid智一体。

しかし半端ない身体能力で

雅紀、翔、潤が三人で囲んでも

ビクともしない強さを持っていた。



ここは。

俺がやるしかない、

と一対一の戦いを意味する川を引くと

Android智は息を呑んだ。




飛ぶ力も避ける力も互角。

サーベルは折れて

鉄と生身の人間の戦いとなっても

俺達はどこまでも互角の勝負だった。




智「はぁはぁはぁはぁ・・・」



Android智はブルーの瞳を向けた。

あと一息。

飛び上がり蹴りを入れようとして・・・




和「待って・・・!

Android智は、助けてくれたの」




Android智の前に立ちはだかって

彼を守ろうとしたのは

俺の和だけではなかった。

Androidを倒しにきた数多の和が

口を揃えて同じことを主張した。




和に取り囲まれて

しばらく双方睨みあっていたが・・・





Android智「カツテ五人ハ選バレタ。

コノ星ヲ守ルタメ

宇宙ノ任務ヲ任サレタ。

ソレハ・・・別ノ視点カラダッタ。

地球カラノ視点デハナク 宇宙カラノ視点」




智「宇宙からの、視点?」




Android智「コノママデハ 

近イ将来コノ星ハ死滅スル。

人間ヲ絶滅サセルカ減ラサナイトイケナイ。

小惑星ヲ衝突サセルトイウ宇宙計画モアル。

カツテ恐竜ヲ絶滅サセタヤリ方ダ。

人間ハ贅沢ニナリスギタ。

コノ星ヲマモルタメニハ・・・

人口減少、エネルギー消費削減ハ必須。

私ハ・・・人類絶滅ヨリ

間引キヲ手伝ウコトヲ選ンダ。

ソレハトテモツライ任務ダト知ッタ。

人ヲマビク任務ハ トテモツライ。

ダカラ、最初ニAndroidニナッタ私ハ

四人ソックリニAndroidヲ加工シタ。

コンナツライ任務ハ・・・

コンナツライ気持チハ私ヒトリデ十分ダ」



潤「他の四人はマリオネットだったのか」

雅紀「どうりで弱っちいはずだ。

ホンモノの相葉ちゃんは強いぜぃ♬」

翔「雅紀。今、真剣な場面だから」

雅紀「ごめんなさい🙏」

潤「俺達がマリオネットだったなんて

いい気はしないな。

俺さまをもっと主役っぽく書いてくれ」

翔「潤。それは、言っていく先が違う」





智「・・・じゃあ、お前だけが・・・

元人間だったのか?」

Android智「ソウダ」

智「それは・・・辛かったな・・・」

Android智「ワカッテクレルノカ」

智「人の心を失わないで

宇宙から見た視点で任務をすることが

どれだけ心を痛めたか・・・想像できる。

ひとつ教えて欲しい。

どうしてゲームの達人ばかりを攫った?」




Android智「ワタシノ和ヲ探シテイタ」



数多の和が息を呑んだ。



もうリセットされたAndroidニノに触れる

その指は・・・長くて美しい。

歌うように美しい声でAndroid智は言った。



Android智「ドノ和ニモ智ノ記憶ガアッタ。

美シイ大宮ノ愛ノ世界。

優シイ・・・智ノ記憶。

私モ。アノ飴色ノ瞳ガ恋シカッタ。

アノ滑ラカナ肌ニ触レタカッタ・・・

何度モ誘惑ニ負ケソウニナッタ。

コノAndroidニノニ和の柔肌ヲ

移植シヨウトシテ・・・




ダケド・・・デキナカッタ・・・

デキナカッタンダ・・・


和・・・怖ガラセテ・・・悪カッタ・・・

許シテクレ。

智ヨ。ヒトツダケタノミガアル。

リセットボタンハ 自分デ押セル」




智「・・・・・」

和「ダメ。やめて・・・」




智「頼みって、何だ?」




Android智「ワタシノカズトトナリニシテ」




優しくAndroidニノに触れながら

人間の心を持ったAndroidは言った。





智「約束しよう」




Android智は自らリセットボタンを押した。






14時に智史さんの箱庭で

『ハザマの世界 9』がUPされます。


そして明日最終話です。