(智)



俺の部屋よりも高層階の二宮さんの部屋。



心なしか、いい匂いがする。



ドキドキしながらソファーに座った。



奥にベッドがあって・・・



見ないようにしたけれど



ドキドキが止まらない。




和「はい。かんぱーい」



ワインだ。おしゃれだなぁ・・・



和「グラスはホテルのを借りただけだよ?


ボジョレーは貰ったものだし。


さあ、食べよう!」


智「いただきます」



その折詰にはインドネシアの料理が


ところ狭しとぎゅうぎゅうに入っていた。



和「ちょっと辛いね?」



よくわかんない。



味なんか、本当によくわかんなかった。



だって・・・



こんなふたりきりの時間と空間・・・



いいのか?いいのか?



酔ったフリして抱きついちゃう?



・・・出来っこないのに



バカだな・・・俺・・・



嗚呼、何か話さないと。



そう思って・・・



智「ピアノって難しいですか?」



和「んーーー。どうだろう?


今度一緒に弾いてみます?」



今度、一緒に・・・


今度、一緒に・・・



智「はいっ!」



二宮さんが楽譜を開いて



和「指はね、猫ちゃんみたいにして


んーーー。そうそう。卵を持つみたいに」



俺の隣に来て



俺の指を持ってくれた。



手汗、半端ない。



和「これが一の指、これが二の指・・・」



俺の指を握ってくれるから



ドキドキドキドキして



俺、もうダメだ。



もう心臓が止まるかもしれない・・・