(智)


和の音がずっと聴こえていた。


その音に導かれるように


動く筋肉を少しずつ少しずつ


左右に上下に動かそうとしていた時


智母「和くん・・・綺麗ね・・・」


・・・母さんの声だ。


和がいるの?


見たい・・・


和に触れたい・・・


俺は手に力を入れてみた。


ぎゅっと握ってくれるけれど


この手は和の手じゃない・・・


俺の和は、何処?


*ララァさんのお写真です*





ふたりで過ごした薔薇の家に帰りたい。


俺の手が触れたところから


美しい音楽が流れるように・・・





美しい音楽そのものの和が


思い出されては





会いたくて


会いたくて


仕方がなかった・・・






医師「脈拍、脳波全て正常値です」


智母「時々、恋人のバイオリン🎻に反応するんです」


医師「その方を呼べませんか?もしかすると智さんが戻ってくるきっかけになるかもしれません」


・・・


・・・・・


和は遠くにいるんだ。


何処にいる?


辛い思いをしていないだろうか。


俺が守ってやらないと・・・


俺が付いててやらないと・・・





そんな思いが強くなっていた。