(和父)


あのお相手のバイオリン🎻専攻の学生が


帰省の挨拶に堂々とやってきた。


義母「あらあら。カステラまで有難うね」


智「正月を田舎で過ごしてきます。


こちらへは十日を過ぎて戻ります」


義母「はいはい。良いお年を」


智「良いお年をお迎えください」


青いレンタカーが見えていた。


まさか、それに和も乗っていたとは・・・


外をあんなにも怖がっていたのに。



*ララァさんのお写真です*




和が居なくなったと知った妻は


ヒステリックに怒った。


誘拐だ、警察に連絡する、と。


義母「そんなたいそうなこと」


和母「飛行機のチケットは明日の夜なの。


彼の実家は何処なんですか?


和を迎えに行きます」


義母「京都の山の方だと聞いているけれど


さて、何処だったかしらねぇ」


ピアノもバイオリン🎻も聴こえてこないと


和を感じられなくて寂しかった。


だけどそこにいながら生気の感じられなかった頃に比べると・・・


和父「あの子をそっとしておいてやらないか?折角ここまで回復したんだ」


義母「そうですよ」


和母「さっさと住所を教えてください!」


義母はぐずぐずしていた。


年賀状を探すフリをしたり


賃貸契約の書類を探すフリをしたり。


和母「もういいです。


大学に問い合わせます」


妻は怒り狂ったまま、大学へ出掛けた。


和父「連絡先を教えてください。


悪いようにはしない」


義母は手帳から一枚の送り状を出した。


それは彼のご実家からのお歳暮が


届いたことを示すものだった。


私は電話を掛けてバイオリンの彼を呼び出した。


そして和を連れに母親が向かうことを


密告したんだ。


ただ・・・再び人生を歩き始めたあの子を


守ってやりたかった。


何より彼の母親から・・・