*ララァさんのお写真です*
(和)
旅に出るのは久しぶりのことだった。
家から出るのでさえも。
空の色はこんなに青いんだね・・・
海の色もこんなに青いんだね・・・
この星はこんなにも美しくて
智と共に過ごす時間は優しくて・・・
幸せってこういうことかな
何本も川を渡り
いくつもの山を越えて
県をいくつも跨いで
ようやく着いた智のおうちには
智にそっくりなお父さんとお母さんが居た。
智母「ようおいでなさったねぇ」
智父「ゆっくりして行って」
温かく迎えてもらって
美味しい食事を用意してもらって
僕らは朝から晩まで楽器を弾いて過ごした。
智の弾いてきたピアノにそっとキスをする。
・・・お前、優しい音を出すんだね・・・
智の部屋には
僕の部屋と同じように
小さなバイオリン🎻が掛けてあった。
一番小さな子を抱いて
指でポロンと弾いてみる。
智「弓、あるよ」
顎当てを借りてバッハを弾くと
智がチェロで伴奏してくれた。
僕の拙い演奏に付き合ってくれたのは
智が初めてだったよ。
まるで僕とお話をするように
毎晩毎晩付き合ってくれたね・・・
あれから季節を3つも過ぎて
まだ一緒にいられることが嬉しい・・・
その頃、東京の家で大騒ぎになっているとは
僕は知らずにいた・・・
ただ智との優しい時間と空間に
漂っていたかった・・・
