
新春の歌舞伎座は三番叟で幕が開くことが多い。
特に祝い事の意味合いが強い式三番叟は歌舞伎座さよなら公演という大イベントが始まった今年は、人に見せる云々よりも、和央ようかの怪我による日生劇場公演中止での松竹の大損害などの不幸を払拭するような、奉納の儀なのであります。
数ある三番叟の中でも、式三番叟は能の翁に近く、無音の凝縮された空間から切り裂くような三味や鼓の音が轟いて、一切の余分な動きを排除した人の立ち振る舞いが荘厳な祈りを感じさせます。
翁を演じるのは富十郎。
翁というには黒々とした髪、のびやかで艶のある声。最近の翁はまことに元気がよろしい。
和央ようかの代わりにスーパーモンキーに出てもいい位だ。