かごつるべ さとの えいざめ と読む。

籠釣瓶は人を惑わす妖刀の名前。さと,花街は吉原。えいざめ,酔醒とは主人公佐野次郎左衛門が花魁,八橋に酔い,そして醒めるまでの物語。

吉原百人切りと言われる凄惨な事件がモデルになっているこのお話し。

上州の絹商いをする田舎モノで顔中に天然痘のあばたを持つ次郎左衛門が八橋に入れあげたが,身請けの直前でドタキャンされ,その後出会った妖刀,籠釣瓶で刃傷に及ぶのです。

俺ね,この,身請けに至るまでの経緯もさることながら,身請けを断った愛想尽かし,しかもそれがドタキャンだったことのことの重さが理解できなくて,いつも途中眠くなっちゃうのです。

さすがに刃傷にいたるところは引き込まれます。
愛する八橋を一刀両断に切り捨てたあとに,蝋燭の火で妖刀の光を眺めつつ,「籠釣瓶,切れる」というあたりは歌舞伎特有の狂気の美学で好きなんですけどね。

私はね。この話。コクーンで,串田演出をして欲しいのです。
今の歌舞伎の形態は昔の長い狂言のダイジェストに過ぎなくて,愛想尽かしや籠釣瓶の価値観が伝わってこないような気がするのです。
法界坊や四谷怪談,三人吉三も,原本から洗い出して構築していった串田さんの演出力を期待したいな。