母との仲は相変わらずだ。

足が痛い膝が痛いとは言うが

90歳を超えてそれほど痴ほうの気配は

ないように思う。

同じ話を何度もしたりするのはするが、

病的というほどではない。

 

いつ行ってもきれいに化粧して

きちんとした身なりをしていることには

子としてはありがたいことだと思っている。

 

 

頭がまだしっかりしている方なので

私の従姉やまた別の従兄の嫁などから

いろいろ頼りにされている。

彼女たちは母のことを「〇子おばさん、

〇子おばさん」と慕い、

事あるたびに母に電話をかけてきたり

また家に来たりしているらしいことが

耳に入ってくる。

 

 

母はそれを

「私だから話してくれるのよね」などと

ご機嫌で得意げに私に話すこともあるが、

ブラック気分の時は「疲れた」「困るわ」と

聞くに堪えないほど酷く愚痴ったりする。

こういう母の傾向はもうずっと昔からのことで

慣れているとは言え、

従姉たちの気持ちを考えると

その二面性を見るのは正直きつい。

 

 

彼女たちにいい顔をしている

そのしわ寄せが

私に対する当たりをキツくしているのは

間違いない。

 

 

 

先週の日曜日のこと。

温泉旅の疲れもあって

朝ゆっくりしていると

「ニトリに連れて行ってちょうだい」と

ラインが来た。

母には旅の話はしていない。

慌てて支度をして母を迎えに行き、

最寄りのニトリに連れて行った。

帰宅すると出かける時にはいなかった

義姉がいた。

すかさず母が言った。

「この子(私)が

 ニトリに行こうって来たから

 行ってきた」。

 

え?

いや連れて行ってと言ったの

あんたやんか。

一瞬そう思うが別にかまわない。

義姉に対していいカッコしたいのだろう。

義姉だって気づいている。

曖昧な笑みを浮かべて頷いているだけだ。

 

 

だけど何故そんなふうに事実をゆがめて

伝える必要があるのだろうか。

とは言えこの母の歪曲癖も今に始まった

ことではない。

些細なことなのでわざわざ母を問い詰めは

しないが。

 

 

もっと可愛い年寄りになればいいのにと

思うが、

人に弱みを見せることができない母は

車の乗り降りの際も私が手を差し出しても

それを払いのけ自力で降りようする。

プライドが邪魔をするのか、

私より常に上でいたいのか。

 

 

こんな母の様子を見ているせいか

年を取ることに恐怖感だけではなく

最近は嫌悪感が募るようになった。

 

 

人生って残酷だと思う。