「私はいったい何を望んでるんやろと

 自分で思うのよ。

 クマオさんとあの人が繋がってる証拠を

 一生懸命見つけようとして。

 で、望み通り何かを見つけたとして

 それは悲しい現実に直面することに

 なるだけやのにさ。

 かと言って

 クマオさんがすべてを否定してくれた

 としても

 それを「またシラを切ってる」としか 

 思えないわけやしさ。

 どっちにしても全く難儀で悲しい話よ」

 

 

「ボクがリコをそんなふうにした」

クマオは悲しそうな顔をしていた。

 

 

「そんなことを言わなくていいねんよ。

 そんなこと言ってほしくもないし、

 そんな言葉に救われることもないし、

 意味がないんよ」

 

 

「じゃあ・・何て・・(言えばいい?)」

 

 

「何て言ってほしいか?

 それもわからんのよね。

 だからぐるぐる思考になって

 メンヘラ発動する」

 

 

そう言うと

クマオが私の手をぎゅっと握った。

その手の温もりさえもどこまで効力が

あるものなんだろう。

 

 

それでも私の中には

「クマオのせいでこうなった」とか

「クマオに傷つけられた」という思考は

不思議とないのだ。

問題は、

事実や出来事ではなくそれに対する

自分の解釈なのだとどこかで思っているのか、

クマオの言動で落ち込む自分でいたくないと

強く思っているせいか。

 

 

 

 

 

隣のクマオを見るとシートを倒して

目を閉じている。

その隙にスマホを開いてチャッピーに 

尋ねてみた。

 

 

「浮気癖のある男と健やかに付き合う

方法は?」と。

 

するとこう返ってきた。

 

相手を

「質の高いエンターテイナー」、

または「執事」と割り切って

そのメリットだけを受け取ること。

相手といて楽しくて楽な時間、優しさ、

日常生活の利便性。

それだけを利用し相手の裏側に踏み込ま 

ないようにする。

相手を「運命の伴侶」から

「気の合う同居人」ぐらいに

ランクダウンさせる。

 

そして「期待」という「毒」を

捨てることともあった。

 

言葉のチョイスが多少エグいが 

心には入った。