毎年節分には
母お手製のお巻きをほうばって
いたのだが
ついに今年は母から
「取りにおいで」との連絡がなかった。
連絡がないということは
きっともう作ることができなかった
ということだと思い、こちらからも
連絡しなかった。
こんなことなら恵方巻、
どこかで予約をしておくべきだったと
思ったが後の祭り。
そう言えば職場の人から
お豆の袋菓子をもらっていたことを
思い出し、
それで豆まきをしてやろうと思いついた。
何十年ぶりだろうか。
帰ってきたクマオに
「豆まきしよう」と言うと、
え?と驚きながらも快諾。
「ボク、鬼になったるわ」と
いそいそとまた玄関に戻って行った。
ドアを開けて
「ウォ~」と手で角を作りながら向かって
来るクマオに、
「おには~そと~」と言いながら
お豆の小袋を投げつける。
これがちょっとした快感である。
投げつける勢いもどんどん増していって
「ウォ~」
「おには~そと~」
「おには~そと~」と
いい大人二人きりでするにしては
なかなかの盛り上がり。
それはそうと
「ふくは~うち~」って
言ったけ?とは後で思ったこと。
こんなふうにしてまた一日が過ぎた。
怒っても過ぎる一日。
泣いてても過ぎる一日。
悩んでても過ぎる一日。
笑ってても過ぎる一日。
同じ一日なら、
豆まきして笑った一日で
よかったよかった。



