休日出勤のクマオにお弁当を

作った日は

必ずお昼にラインが届く。

 

「いただきます」とお弁当の写真。

それから「ごちそうさま」と

空っぽになったお弁当の写真。

 

 

いつもはそれに返信する。

「ゆっくりおあがりね」とか

「午後からも頑張ってね」とか。

そしてたいがい私からのラインで

やり取りが終わる。

クマオがさらに何かを送って

くることはないのだ。

 

 

 

だけど

昨日は敢えてクマオのラインを

未読にし、

当然返信もしなかった。

わざとちょっとつれなくして

いかにもどこかに出かけてる風を

装った。

 

 

 

まぁ、

何て言うか

本当にささやかでちっぽけな

抵抗である。

(何に対しての抵抗なのかは

自分でも不明だが)

 

 

 

 

そして夜になって

クマオが帰ってきた。

 

 

キッチンの流しで手を洗いながら

揚げ物の準備をしている私のことを

何故かじっと見ている。

 

 

何かを感じ取ったのか、

「りこちゃん」とただ名前だけを

呼ぶ。

 

 

「うん?」

天ぷら鍋から目を離さず返事した。

 

 

「りこちゃん、

 今日、何してたん?」

 

 

実はクマオがこんなことを

尋ねるのはとても珍しい。

 

私が何をして過ごしたのか

気にしたことなんかなかったはずだ

から。

どうせ家にいるか

実家に行くか、

そんなところだろうと思っているに

決っている。

いや、そもそも自分のことしか

考えていないのだと思う。

 

 

なのでこんなふうに

尋ねてくること自体にちょっと驚いた。

 

これって

ライン未読にしたことが

クマオなりにも

気になったということだろうか。

 

 

「ずっと家におった。」

 

 

さらっと一言そう答えたが

さぁクマオはこれを信じるの

だろうかな。

(実際は本当に家にいた)

 

 

これが逆なら

私は信じられなくて苦しくなる

ところだからさ。

 

たまにも疑心暗鬼に

なってほしいわ。