彼女に電話すると言うと、
「勘弁してほしい」と
クマオは懇願した。
「それは彼女を守りたいから?」
「・・・・」
「クマオさん、
そんなにあの人が好きやったん?
私にはあんな女、
ただの遊びやったって
言ってなかったっけ?
それともこの6年間、
ずっと忘れられへんかったって
こと?」
「・・・・」
問い詰めているのは私なのに、
何も応えないクマオに、
逆に自分が追い詰められているような
気がしてきた。
「クマオさん、
嘘なんかつかなくていいんやで。
私に嘘なんかつかないで
彼女が好きならそう言って。
そうならそれで私は考えるから。
自由になってもう一度彼女と
やり直したいのなら、
残念やけど
そこは私、受け入れるしかないと
思ってる。
それができるかどうかわからへんけど
その努力はしようと思ってる。
だから、
とりあえず今すぐ私の目の前から
消えてくれる?」
あぁ、もうどうしても
感情が暴れ出してしまう。
そう言い残して
私は黙って二階の寝室に向かった。
数分後、
クマオが「りこ、りこ」と
寝室までやって来た。
また長い夜になる。
