今月になって

クマオがお買い物ラッシュを

迎えている。

 

先日はリネンのスーツや

デニム。

そして翌週にはまたリネンの

セットアップや靴。

極めつけはブレスレットと

なかなかのペースで

ガンガン買っている。

 

店内のソファに座って待っている

私に、

試着室から出てきては

「これどう?」と聞いてくるので

当然「いいと思う」とか

「カッコいい」とかって答えている。

 

 

クマオの選ぶものはどれも

基本的にとてもいいと思っているので

異論を唱えることはない。

と言うか、

そもそもクマオが自分のお金で

自分の好きなものを買っているのだから

異論も何もない話だ。

 

 

だけど今回はやけに

「どう思う?」とまるで子供ような目を

して私に聞いてくる。

どうやら私の目をじっと見て

私の気持ちを探ろうとしている感じだ。

 

 

うん?

何?あの目・・

しばし考える。

あ、なるほど、そういうことかと

カンの鋭い私は気づいた。

 

これだ。

 

いつもなら

ホワイトデーのお返しにと

私は洋服を買ってもらう。

が、今年は買ってもらっていないし、

それどころかお返しと称して

実は何ももらってもいないのだった。

 

もちろん3月のクマオは

本当に激務でそれどころではなかった

ことは、

こちらも重々承知していることで

別段気を落とすこともなくいた私だ。

 

 

だけど

そのことをどうやら

クマオは気にし始めたようだ。

 

自分のものばっかり買って

りこのもの何にも買ってなかったと

やにわに焦り出したのだろうか。

それともそれを私が咎めているとでも

思ったのだろうか。

 

 

お店を出ると案の定、

クマオは今度は私の洋服を探しに

行こうと言い出したが、

時間も押している。

 

 

だから言った。

 

「クマオさん、

 自分がたくさんお買い物したからって  

 私に気ぃつかわんといて」

 

「そういうつもりじゃないけど

 何かりこがしょんぼりしてるように

 見えたから・・」

 

(クマオのこういう言い回し、

 何か気に障る)

 

「しょんぼりなんかしてへんわ。

 なんでクマオさんのお買い物に

 私がしょんぼりせなあかんのよ」

 

「いや、怒ってんのやろ?」

 

(こうきたか)

(こうくるなら

 まぁ聞いてみたろやないか)

 

「何を?(私が怒っているとでも?)」

 

「ホワイトデーのお返し

 ボクが忘れとったこと」

 

(めんどくさ)

「んなわけないやんか」

 

「悪かったと思ってんねん」

 

(今更ええってよ)

「そんなんええよ。

 私に欲しいものがあったら

 クマオさんはいつでも買ってくれる

 やん。

 私はそれでじゅうぶんやもん」

 

そう、じゅうぶん・・・

うん、じゅうぶん・・・

 

 

いや、何だか

クマオにつつかれて

何かが呼び起されてしまったようだ。

 

 

そう、

今更ながら

ホワイトデーをスルーされたことに

モヤってしまったという話。