ふとクマオが黙り込むと、

不安になる。

 

幸せと感じているのは

私の方だけなのではないかと。

 

車の助手席から見るクマオの

横顔は、寂しそうに見えた。

 

 

以前、あの女も言ったそうだ。

「自信満々に見えて、

 いつも寂しそうに見える」と。

 

そう聞いてその時は思った。

女といながらも、私への罪悪感が

そうさせていたのだろうと。

 

その法則が当てはまるなら、

今度はまた誰を想っての

ことだろう。

 

 

正直なところ、

旅行を控え、安心しきっていた。

 

だが、あぁそうだったと思う。

クマオは、女との旅行が決まると

その前日には必ず私に会いに来ては

私のことを褒めたり、

ずっと大切だとか言った。

 

片方を崇めるなら、もう片方は

うまくなだめる。

 

クマオはそんな男ではなかったか。

 

 

いけない。

またネガティブな思考になって

いるとも思う。

 

 

 



クマオがもう一つのスマホを

持とうとしている。

きっと、ラインの別アカも

作るつもりだろう。

 

昼間何気に聞き流したはずが

夜一人になると、思考が冴えて

くる。

 

 

まあいい。

うまくやってくれればと

思い直す。


 

40歳を過ぎても尚、結婚願望を

持たない男のすることだ。

 

やっぱり束縛はできないのだ。

 

 

 



今年もまたクマオに買ってもらった

インディアンジュエリーのバングル。

誕生日プレゼントのゴールドのチェーン

と合わせて。


 こんなの買ってもらっても

不安のタネはつきない。