最近優しいクマオ。
何だろう。
何でだろう。
逆に不安になる。
昨日午後、
「上高地行く?」
とだけのライン。
うん?
何これ?
さっきいっしょにランチした時、
そんなこと一言も言ってなかった
のに。
よくわからなかったが、
とりあえず「うん。行く」と返信。
ところがそれっきりラインは
途絶えた。
もしかしたら、他の女宛のを
私に誤送信した?
いまだに、猜疑心がつきまとう。
夜、やって来たクマオに尋ねる。
「あれって、私宛?」
そう聞くと、クマオはおもしろそうに
笑って言う。
「オレが他の女と間違って送ったって?
ほんで、りこから行くって返事きて?
自爆したってか?」
「だってさ、りこちゃんとか呼びかけなくて
いきなり上高地行く?だよ。
それに何より相手がクマオさんなら
ありえないこともないやん」
「は?
キミ、失礼だな」
こんな冗談さえ言えるようになっている
最近のクマオと私。
やっとここまで来れたような気がした。
「ほら、見て。」
クマオはPCを開き、画像を見せる。
上高地の美しい風景だ。
「うわぁ!きれ~い」
「りこちゃん、実はもう予約した」
「え?」
「うん。あかんかった?」
「あかんわけないやん!
ただ、びっくりしてる」
「このホテル。
ラスト一部屋やった。
あまりいい部屋ではないけど」
「何で?
充分やん。
でも、1泊じゃしんどいね」
「うん。
実は、八ヶ岳の方に
別の宿取った」
「え~!!!!」
電車は使わない。
車で行く。
7時間ぐらいは覚悟して。
食事はホテルのレストラン。
京都や金沢みたいに
繁華街には行かない。
それの方がちょっとでも安心かなと、
甲信越地方にした。
何より、りこが行きたいって
言ってたから。
クマオはそんなことを長々と
喋った。
クマオのこの手のサプライズ。
私はいつもいつも受け入れるのに
時間がかかる。
「クマオさん、ありがとう。
でも、何で?」
胸がいっぱいでそんな言葉しか
出てこない。
「何で?」
クマオはグラスに氷を入れるために
立ち上がった。
応える代わりに、私の髪に
チュッとキスした。
なかなかのチャラ男だと
思った。
鶏胸肉レモン漬けの作り置き。
豚バラと厚揚げの味噌炒め。


