パンドラの箱を開け、
全ての答え合わせをしたせいで、
すでに終わっているというのに、
クマオと女の関係が妙に生々しさを
帯びてくる。
何より辛いのは、
まだ私がそうとはっきりと
知らなかった頃のやりとりだ。
私がいながら、
私といながら、
クマオは別の女との恋を
確実にスタートさせ、
二人の逢瀬のパターンを
確率していた。
あの時、私が覚えた数々の違和感は
全てここにあったのだ。
その一つ一つの出来事は
まだ成仏しきれていない。
果たして私はこれを許せる日が
来るのだろうか。
すっかり忘れることができる日が
来るのだろうか。
自信はないが、
それでも私は言わなければならない。
ある意味覚悟を決めた。
昨夜、クマオの帰り際。
「クマオさん、
私はもう二度とあの人の話は
しない。
いつまでも過ぎたことを言い続けるのは
みっともないから。
もし、私がまた言い出したら、
怒ってほしい」
クマオは何も言わずに
向き直って、私をハグした。
髪に唇を押し付けキスをした。
11時を過ぎていた。
「もう1杯だけ飲んで帰る」
クマオは履いていた靴を脱ぐ。
グラスに氷をいれながら
クマオは言う。
「りこ、オレはここにおったら
楽しい。
いつまでも帰りたくない」
この言葉を信じていいのか。
今はまだわからない。
「私ももう1杯」
「よし。
最高においしいジンソーダ、
作ったるわ」
クマオがマドラーで
カラカラと混ぜる。
ライムが効いて本当においしい。
明日また睡眠不足やな。
そんな話をしながら
さらに夜は更けた。
カリフラワーの唐揚げ。
玉ねぎのピクルス入りサラダ。
棒棒鶏。


