昨日。8月17日土曜日、本来なら日曜日に出かける予定だが、
18日はクマオの誕生日。
女は、18日をクマオと過ごすために、仕事を土曜日に振り替えている。
その結果、クマオと私は土曜日に出かけることになった。
ところが、金曜日辺りから、クマオは疲れからか、喉が痛いと言いだす。
18日、女と目いっぱい楽しむためには、17日はゆっくりしたいところだろう。
私はクマオにラインする。
「クマオさん、17日、私とのお出かけは無理しなくていいよ。
北海道でいっぱい楽しませてもらったから、我慢できるよ」。
「わかってる。でも大丈夫やから」。
そして昨日の17日の朝、クマオから電話がある。
「りこちゃん、今日は梅田にインディアインジュエリー展に行こうな」
「え~。クマオさん、喉痛いんでしょう?
無理したら明日のお誕生日彼女と会えなくなるよ」。
「大丈夫!その代り早く帰らせてな。
やっぱり風邪ひいてることにはかわりないから」。
「そんなの無理しなくていいよ。今日はもうやめとこう」。
私がそう言うと、クマオは意地になって言う。
「大丈夫。早く帰って早く寝るから」。
「でも、クマオさん、今晩から彼女んち行くんでしょ?」
どうせそんな女のやることだ。
日付が変わり18日の0時きっかりに「おめでとう」とそんな演出をしたいに決まっている。
「いいや」。
クマオは微妙な表情で否定したが、そんなの嘘に決まっている。
「とにかく大丈夫やから。早く帰れば」。
クマオはそう繰り返す。
「わかったよ。早く帰ろうね」。
私もそう言う。
私からの誕生日プレゼントは、18日の午前中必着でクマオに発送している。
もし、昨夜女の家に行かず、今日の午前中にクマオが私からのプレゼントを
受け取っていたら、ちゃんと連絡があるはずだ。
そう思って、私は午前中、今か今かとクマオからの連絡を待っていた。
11時半ごろ、クマオからラインがきた。
「りこちゃん、ありがとう。プレゼント」。
え!何これ。何とも微妙な文面だ。
私はピンときた。クマオは中身をまだ見ていない。
きっと受け取ったクマオの母親が気をきかせて、クマオに連絡をしたのだろう。
だが、中身まではわからない。 品名の欄には「雑貨」とだけ記していた。
「しょーもないものです」。
私がそう返信すると、また「ありがとう」と返信。
やっぱり。 送ったのは電動歯ブラシだが、ただ「ありがとう」とだけの返信。
私はまた悲しくなってしまった。
やっぱり昨夜、私と別れてから女の家に行っているのだ。
私には、風邪気味だから早く帰るよと言いつつ、結局は女に会うためにまた私に
嘘をついたクマオ。
その嘘は、クマオの優しさと信じればいいのだろう。
北海道旅まで連れて行ってくれたクマオなのに、
この場に及んでまだクマオを信じきれない自分。まだ傷つく自分。
それほど嘘が持つ破壊力は大きいのだ。