翌朝になっても私のモヤモヤは晴れなかった。
朝、クマオが電話をかけてくる。
「りこちゃん、おはよ~」
「おはよ~。クマオさん、どうですか?」
「うん。大丈夫。痛み止め入れてもらってるし」
「出血は?」
「まだしてる」。
そんなやりとりの間に、クマオは尋ねてくる。
「りこちゃん、元気に起きれたん?」
「うん。起きれたよ」
「元気ないなぁ」
「そう?元気!」。
実際は心に鉛が詰まっているように重かった。
この気持ちを吐き出したい。でも、術後のクマオに余計なストレスはかけた」くない。
そんなことをグルグル考えていた時、
「自分から日陰にならないで」。あるフォロワーさんのコメ。
そうだ。その通りだ。私は素直な気持ちをラインにしたためた。
「クマオさん、いつもお世話になっているのに、クマオさんが大変な時に
何もできなくてごめんね。
でも長年クマオさんを苦しめていたポリープがなくなって
本当によかった。
昨日、私は遠目でもいいから一目クマオさんの顔を
見たかったよ。
でも、クマオさんが術後一番会いたかったのは、私じゃなかった?
私はそれがちょっとさびしくて元気が出なかっただけ。
でもすぐに立ち直るから大丈夫。
私は、クマオさんの好きなハンバーグ作って待ってるからね」。
送信した。
すぐに返信。
「りこちゃん、ほんとに会いたかったよ。
でもタイミングが悪かっただけ。
せっかく来てくれたのにごめんね」
「りこの顔が一番見たかったのに」。
そりゃ、こう返信するしかないだろう。私は意味のないことをしてしまったか。
「今日は来てほしい」
「土手までなら」
「なんで?」。
私の返信の手が止まる。
結局、私は自分で自分を追いつめているだけなのかもしれない。
私から見た女は自信満々に見えるが、それは、きっと女が、素直に、クマオの気持ちを
受け止めているだけなのだ。
私はそれができなくて、自分で自分の気落ちを勝手にもつれさせている。
もっとタフにならないと。
その日、私はクマオの病室までお見舞いに行くことにした。