「りこはオレといるところを、その彼氏に見つかる可能性ってあるの?」。
クマオにしては珍しく、比較的核心をついた話題を続ける。
「あるかもね。でも会ったら会った時。
クマオさんは、彼女がお仕事の時に私と会ってるわけだから、
彼女に会うことはないよね」
「まぁね。でも、彼女の友達や同僚にも顔知られてるし、
その子たちに見つかるとアウトだな」。
へー。クマオは女の友人たちとも会っているんだ。
基本、友達の少ない私にはあまりなかったことだ。
クマオが彼女と数人の彼女の女友達に囲まれて鼻の下を伸ばしている状況が
たやすく目に浮かぶ。
その後もクマオは女に関する話を続ける。
その内容は、これまで聞いていた事とは微妙に違っていた。
やはり以前言っていたことには嘘が多くあると気付く。
ただ、クマオの話を聞くうちに、これまで私が考えていた女の正体との違和感を
はっきりと感じた。何かひらめく予感。女の正体を掴める。何だろう。そう、そこまで来てる。
私は頭の中でぐるぐる考えたが、今聞いた内容をしっかり脳裏に刻み、
とりあえず一旦その思考を停止した。
クマオに言う。
「彼女、ピアスのこと、もうその友達たちに話してるやろね」
その女が、「ねー、聞いてよ!クマちゃんの車にさ・・・」ってな感じがちらりと浮かぶ。
「多分ね。落ち着くまで大変やと思ってる」
「ごめんね。気をつけるね、今後」。
心にもない言葉。
何だろう。私この感じ。心地よい。クマオと私で、クマオの女を欺いている感。
シンプルに優越感なのか。
その後もクマオは話す。