その日も、私は数日前のレストランでのクマオのトイレのことを咎めてしまう。
クマオは、「悪かったよ。オレはどうすればいいのか。」とその日は土下座までして見せた。
私はクマオに言った。「そうやって謝られることが一番私を傷つけるってわからないの?
そんな女ただのセフレって言ってほしいのに。だけど謝られると私の不幸が真実になって
もう戻れないってことを改めて突き付けられる。」
こんな言葉だって、もう何度クマオに浴びせただろう。
クマオも 「またかよ」と苛立つ。
いや、そもそも私たちはもう別れたはずだ。なのにどうして私たちは会っているのか。
どうしてクマオは私を誘い、私はクマオのために食事を作ったりするのか。
そしてこんな堂々巡りだってもう何周目だろう。
「本当はりこだけ。彼女はセフレだよ」とクマオがそう言ってくれたら、その言葉があったら、
私はこれほど苦しまなかっただろう。
しかし、クマオは決してそうは言わなかったし、同時に私と会うことをやめるともやめたいとも
言わなかった。
それはクマオのずるさなのか、クマオの私へのある種の愛なのか、その両方なのか、
ものすごく優柔不断なだけなのか私にはわからなかった。
クマオの本当の気持ちはどこにあるのか。
どうであれ、こんななじり合いの果てに、私が描いたクマオと私の「第2章」へと行きつく
ことができるのだろうか。