ゴールデンウィークが近づく。それは憂鬱な私の心にさらに拍車をかけた。

 

きっとクマオはそれまで私としていたように女と旅行に出かけてしまうだろう。

 

私は何の予定もなくただただ寂しい日々を過ごさなければならなくなる。

 

それは想像しただけでも胸が痛くなり吐き気さえ感じるほどだった。

 

ところが、実際ゴールデンウィークになると、クマオは仕事が入る日もあり、

 

べったり連休にはならなかったようだ。女と長期の旅行に行かない、それだけでも

 

私の心は落ち着きを取り戻す。私の心のコンパスは常にクマオを差している。

 

その上、次男が帰省してくれたおかげで、かなり寂しい気持ちは紛れた。

 

クマオからも、何もなかったかのようにお弁当の依頼をしてきたり、次男といっしょに

 

食事をする機会を作ってくれたりと、それなりに私はクマオと近い距離で過ごせた。

 

ただ、その予定はコロコロ変えられた。

 

クマオはひたすら女の予定に合わせているようだった。というより、クマオが予定を合わせた

 

い相手は誰でもなくその女だということだった。

 

そしてその女は本当によく予定が変わる女だった。

 

「え?今日?あれ、今日はダメだって言ってなかったっけ?」

次男と3人で夜ご飯を食べると決めていた日は翌日のはずだった。

 

「うん。」 ちょっと言いにくそうにクマオは返事した。

 

「そんなの今日は無理だよ。明日っ言ってたから。今日は予定ある」。

 

そうきっぱり言えたらえどんなにいいだろう。でも言えなかった。言わなかった。

 

仮に本当に予定があったとしても私のことだ、きっとキャンセルしてクマオを優先するだろう。

 

私は急いで買い物に行き食事の準備をした。

 

クマオに振り回される。いや、実際はクマオの女に振り回されている私。

 

憎らしくて仕方ない。

 

そしてその翌日、「明日はちょっと用事があるんだ」そう言っていたクマオから

 

「今日、猛毒展行く-?」とお昼過ぎにライン。

(猛毒展は猛毒を持った生き物が展示されている。クマオも私もそういうちょっと

グロい感じのものが好きだった。)

 

またもや予定変更だ。

 

そう思いながらも私は久々のデートに心ウキウキした。