ダメだ。こんなことではダメだ。何とかしなくては。この年齢でこれはイタすぎる。
しっかりしよう。グダグダになった心で「例えば・・・」と私は考える。
「クマオの女にしてみたらこの状況はどうだろう。いくら還暦近いオバさんとはいえ、
私は元カノ。その元カノに連絡している自分の彼氏。その元カノの手料理を食べ、
元カノの作ったお弁当を食べている。自分が仕事の時は、その元カノと会い、洋服を買いに行ったり食事もするデートをしている。その元カノと連絡が取れなくなると号泣する。
自分の付き合っている彼氏はそんな男」。
私は意地悪くサディスティックな想像をした。この状況は女にしてみたら、女が知ったとしたら
やはり嫌なことだろう。きっと傷つくだろう。
クマオが私とこんな形で繋がっていることを、女に話しているとは思えなかった。
つまり、クマオは、結局自分の女にも嘘をついていることになるのだ。
嘘をつかれている女。女は「裸の王様」。
そう考えると、悪魔のような私の心が少しほくそ笑む。
今思えば、恐ろしく狂っていたと思う自分。でもいったん狂わせなければ、再生できなかった
のかもしれない。必要悪だったと、今も思う。