どこまで もおめでたい私。愚かな私。
私は、この「最後のデート」のシナリオを勝手に作りあげていた。
その日、私はクマオからのたっぷりの謝罪の言葉を期待していた。
私の耳に甘く響く、クマオの私に対する思い、誠実さを感じる、そんな会話。
女はただのセフレだよ、彼女じゃないよなんていう言葉まで、どこかで想像していた私。
もうイタイとしかい言いようがない。
それに加え、私はクマオがいつ、どこで、どんなふうにその女と出会い、そんな関係になった
のか、その時私のことはどうするつもりでいたのか、そんなこと今更知っても不毛だとわかり
ながらも、どうしても確かめたかった。
いずれにしろ、核心をついた会話がしたかったのだ。
しかし、その日のクマオは不機嫌で、たまに笑顔で話すことと言えば、仕事の話だ。
まるで何もなかったかのように振る舞うのだ。