「最 後のデート」と銘打ってのデート。
なのにこの人のこの態度は何なんだ。私に悪いと思っていないのか。私に対して奉仕の気持
ちで接するべきではないのか。なぜ、何もなかったかのように、長年連れ添った熟年夫婦の
夫が妻にするような扱い、まなざしを私に向けるのか。
私がどんな思いでその日を迎えたか。
しかし、クマオにはそんなこともうどうでもよかったのだ。
たまたまその日は夜まで女が仕事(女は飲食店勤務。クマオはいつも私と夕飯を済ませた後、深夜になってから女の部屋に行っていたのだ)で、日中は時間が空いていたのだ。
この温度差が今更ながら悔しかった。悲しかった。
その瞬間、初めてクマオに対するものすごい憎悪の感情が芽生えた。