クマオは特に悪びれる様子も、私に対する謝罪のような言葉もなく、
むしろバレてしまったこと、私がわざわざ待ち伏せして現場を押さえたことに対して
怒りをさえ感じているようだった。
私はできるだけ感情を表に出さないように言った。
「3月21日までの約束だったのに。それぐらいは待ってくれると思ってた」。
「だから、付き合ってないよ」。さっきの動揺が少し収まったのだろう。
ずるいクマオが顔を出し始めていた。その様子にがっかりした。
もうこれ以上話しても無駄だ。
私は「サイテー」と言ってクマオに背中を向けて,歩き出した。
10メートルぐらい進んだところで「りこ!」とクマオ。
振り返ると「オレとはもう会わないのか?」
「は?」意味がわからなかった。どういうことなのか。なんて返答していいの
かわからなかった。