結局、お正月休みの間にクマオの様子がもとに戻ることはなかった。

 

年始の仕事が始まり、またいつもの日常。

 

平日の夕方、仕事帰りに私の家におかずを取りに寄ってくる。

 

お休みの時とは、打って変わってご機嫌な様子のクマオ。

 

出来上がったおかずをパックに詰めると、

 

「うわぁ!りこちゃん、ありがとう!めっちゃおいしそうやん!」

 

以前のクマオだ。

 

しばらくすると、「りこちゃん、めっちゃおいしいよ。」とライン。

 

私はホッとしていた。よかった。クマオは何も変わってないや。

 

そんな日が数日続いた。

 

ところがある時、まだ夕方6時前だというのに、クマオがおかずを取りに寄ってきた。

 

仕事をこんなに早く切り上げてよいのかと心配になるほどの早い時間帯。

 

当然まだできていなかった。慌てて、最後の仕上げをし、パックに詰めた。

 

クマオは上がりもせず、イライラした様子で玄関で待っていた。

 

「ごめん、ごめん。こんなに早いとは思わなかったから」

「無理に作らなくていいのに。無理しないでいいよ」

クマオは怖い顔でそう言った。

 

その時のクマオの顔、声。私の知らないクマオだった。

 

きっと出かける約束があるんだ。そしてそれはきっと女だ。

 

証拠もないのに確信した。

 

まさかと思ってはいたけれど、ついにそのまさかが来たんだ。

 

いよいよ覚悟の時が来た。