兆候 312月に入った 。 特に何かがあったわけではない。 ただ、毎朝クマオがかけてくる電話の声の調子が少し変わったことに気づいた。 何年間も毎日毎朝クマオをと話していた。 当然クマオの声の調子がほんの少し変わることにも敏感に察知する。 「どうしたん?何かあった?」 「いや、何もないよ」 異変に気づいてから、何度そう尋ねたことだろう。 しかし何度尋ねてもクマオは同じように答えた。 何も変わったことはない、と。