イワフネと謎の女の秘密を知る 正体不明の歌人 角麻呂
『万葉集』に4首の歌を残す
謎の歌人 角麻呂(生没年未詳)
イワフネと、謎の女の㊙️を握る
海人氏族であるように見える
一説に陰陽学者として褒賞されている
角兄麻呂(『続日本紀』養老5年1月条)
と同一かともいう(『代匠記』)が...
別人のように思う。
どのみち角兄麻呂も角麻呂も、
両人とも資料に乏しい。
「マロ(麻呂、麿)」とは
「私=1人称」を表す古語で、
人名の語尾に付ける場合、
主に男性を示す
(柿本人麻呂や大伴古麻呂、和気清麻呂など)
角麻呂が残した4首は
どれも皆、海人、船、海に纏わる歌だ
角麻呂はもしかしたら?
海神を祀る神官か、
庶流、部曲であったかも知れない
下記のNo.292 は
アマノサグメとイワフネの歌
No.293 はイソラと傀儡の歌
万葉集 第三巻
No.292
久方乃
天之探女之
石船乃
泊師高津者
淺尓家留香裳
ひさかたの
アマノサグメが
石船の
泊てし高津は
浅せにけるかも
【訳】
かつてはサグメたち神々を乗せたイワフネが
停泊できるほど大きく深かった高津も、
いまでは浅瀬になってしまったなあ
No.293
塩干乃三津之
海女乃久具都持
玉藻将苅
率行見
潮干の御津の
海女のくぐつ持ち
玉藻刈るらむ
いざ行きて見む
【訳】
潮が引いた三津の浜で海女たちが
傀儡を操り藻を刈り取っている
さあ、見に行ってみよう
No.294
風乎疾
奥津白波高有之
海人釣船
濱眷奴
風をいたみ
沖つ白波高からし
海人の釣舟
浜に帰りぬ
【訳】
風が激しくなってきたので、
沖の白波が高くなってきたのだろう
沖へ出ていた漁師の釣り舟が
みな浜に戻ってきた
No.295
清江乃
木笶松原
遠神
我王之
幸行處
住吉の
岸の松原
遠つ神
我が大君の
幸しところ
【訳】
松の並ぶここ住吉の松原は
遠い昔から神でいらっしゃる大君が
おいでになった所よなあ
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