この記事がアップされる頃は昨日のニュースになっていますが、7年前に植松死刑囚が起こしたやまゆり園の事件のついてです。
わたしなりに思うところは、多分一般的な世間の意見とは少しズレているのかも知れません。
この記事の奥津ゆかりさん、とても、素敵な生き様だなぁ。
これはこれで素敵な記事だし、一生懸命に美しく生きる障害者の皆さんの気持ちを報じることは勿論大切なことだと思います。
ただねえ…
それを、
だから犯人が許せない!
障害者差別を許してはならない!
という意見の裏付けにするだけじゃ、不完全だと思うんですよね。
前向きで誰にでも共感されやすいヒューマンドラマを報じるだけじゃ、卑怯だよな。
ちゃんとバランス取らないと。
何故なら。
植松死刑囚側の人たち、闇落ちした精神状態の人たちが世の中には一定数いるのは事実なのだから。
事件が起こった原因を、犯人の異常性という答えだけで終わらせずに、もっと論じなければならない問題が、福祉にも社会にも山積みだと思うんですけどね。
そして何より、一人一人の人間が持つ闇についてもスルーしちゃダメでしょ?
知的障害者の生活する施設で自分も少しだけ働いたことがあるんですが…
あれは…あの労働環境は、1人のありふれたごくフツーの青年を闇落ちさせるのには十分過ぎる環境だよな…と自分は思います。
村松死刑囚を、ただの異常者ということで片付ける社会の愚。
それは、大切なことから目を逸らすということ。
ハッキリ言ってかなり異常な世界ですよ、知的障害者施設って。
利用者さんのありのままを受け止める、というもっとも大変な仕事以外にも、大変なことが多過ぎる。
精神科閉鎖病棟と似てる所は少しはありましたが、全く違う部分も多かったです。
知的障害者の皆さんは、比較的親に純粋に愛されている人が多かったのと、わたしのいた職場では優しく接しているスタッフが大半でした。
…中には酷いスタッフも居ましたが。
でも職場環境は厳しく、人間関係はとにかく難しいですね。
確実に言えるのは、働くと余程頑強な人じゃ無ければ普通に病みます。
人が入っては辞めていく。
入浴介助やお散歩レクレーション、何一つハードではない仕事は有りませんでした。
そして薄給な上に入居施設ともなれば夜勤があります。
睡眠とか、生活のリズムって人間が健康な生活を送るのにとても大事なウェイトを占めています。
自分は医療福祉に限らず、夜勤のある仕事をしている時が一番精神が不安定になりましたから、そういう面でもなかなかハード。
そういう極めて過酷な環境で働き続けるのは、鈍感になるしか無いんじゃないでしょうか。
それが、多くの職員が取る処世術だと思います。
特に福祉は医療より給料下ですし。
労働環境が悪すぎて、常に人材不足ですしね。
根っからのマッスル体育会系の人か、気は弱くて打たれ強いだけが取り柄のドMサンドバッグ系の人か、俺様オラオラヤンキー系の人か、長く働ける人材って限られてくると思うんですよね。
で、長く働けるタフな人たちでなんとか回さなきゃならないから。
その結果、何が起こると思いますか?
まあ、人権軽視のムラ社会ですよね。
利用者、働く人、問わずの。
かなーりめんどくさい人間関係になります。
福祉施設で働いているからと言って人とナリがちゃんとしてる人ばかりじゃないです。
寧ろ、かなり歪に偏ってる人が多くなります。
崇高な理念を持っている人も居れば、地獄の番人みたいな人も居ます。
一見素晴らしい人間に見える人でも、大切な何かが欠けていたりすることもあります。
みんながみんな極端で、危うい。
それを自覚してる人はまあ、まだ大丈夫だとは思いますが…どうしても人をケアする仕事をしていると、自分自身の問題から目を逸らしがちにはなりますね。
そこで大切になるのは、スタッフ同士のチームワークや理念の共有だったり、そうしていくための、施設の長の覚悟や態度だったりするんでしょうけれど。
初めは理想や理念を掲げて始めたことでも、国の助成金のシステムの中で施設を運営しているうちに、そのうち障害者をただの金ヅルだと思ってしまう施設の長もいると思います。
決してやまゆり園がそうだと言いたいわけじゃなくて(そこを論じるほど私はやまゆり園を知りません。)、一般論として、余程気をつけてないと、福祉の上の人って、人間が腐りやすい環境だと思います。
心がけがどんなに清くて優しい上の人でも、事なかれ主義だったり、大事な問題から目を逸らしてしまったり、逃げて先延ばしして、些細な問題が大きくなるまで放置しまっていたら、どうしようもありませんし。
施設のトップが確固たる信念を持ち、現場の人間たちが何を思っているかを把握し、理想を追求し、スタッフ間で理念を共有する。
それが上手く行ってないと、現場は理想からどんどん離れて劣悪になって行くでしょう。
つまり、一番意識の低い人たちのレベルにまで、落ちます。
恐らくそれは精神科病院にも言えることだと思いますけど。
まあ、理想を抱いていた人ほど、余程施設のトップの考えがしっかりしたところでないと、医療、福祉の現場では常に思案し、悩み、葛藤しながら働くことになるんでしょうね。
比較的いい現場に恵まれたとしても、スタッフ間の意識のズレによって、今まではいい現場だったのに、いつの間にか悪い現場に変わってしまうことなんて日常茶飯事だと思います。
福祉において、ジェダイ(正義の心を持った人)がダースベーダー(闇の人)になるなんて、思ったよりだいぶ簡単だと思います。
…環境次第で誰だってそうなりうる。
被害者やご家族の方達に対して酷い言い草になるのかも知れませんが、この事件は、たまたま、やまゆり園で起きただけです。
ほかの施設でも起きていた可能性が充分あるように思います。
犯人を憎むだけ、障害者差別を憎むだけで、本当にいいんでしょうか?
ほかに何か考えるべきこと、あるんじゃないでしょうか。
まず国は、あまりにも現場に丸投げしすぎなんじゃないかなあと感じます。
綺麗事、絵に描いた餅を、現場のスタッフたちのやり甲斐を搾取しながら、押し付けている。
日本はどんどん貧しくなっていっています。
経済的にも、日本人の本来持った心の豊かさも、今は見る影がないレベルにまで落ちています。
だから弱者に優しくなれないのも当然だと思います。
生産性がないとか、そういう身も蓋もないこという人なんて昔から確かに居ましたけれど。
でもね、今は政治家とか偉い人が平気でオフィシャルで言えてしまう時代。
そういう意見に対して、ああ確かにその通りだよなと賛同することすら、羞恥心を持たない人が増えた。これ、かなりやばいですよ。
日本は本当に貧しくなったんだなと心から思います。
わたし如きが倫理や道徳、宗教的なことを説いても、心の貧しい人にはどうせ伝わらないと思うんで言いませんけど。
それだけ日本人は人間としてのレベル低くなったんですよ。
大人になれなくなったの。
生産性、優生思想に侵されすぎて。
社会に支配されすぎて。
思考回路が幼稚になったんです。
実際、庶民は増税などでどんどん地獄のような生活環境に追いやられ、今後どんどん「普通」を維持していくのがサバイバルになっていくと思います。
かといってベーシックインカムとか導入したりしたら、ますます国民の幼児化は進みますけどね。
ほかにも思うところは沢山ありますが、文章がどんどん散らかり、偉そうな毒舌がヒートアップしそうなので、今日はこのくらいにしておきますね。