男って、大変だよなぁ…



昔は男になりたかったっけ。

男であるって理由で強くなれそうな気がしたから。



一つ違いの兄がいるので、よく喧嘩した。

髪の毛引っ張られたりもした。

兄にはよく少年ジャンプを借りてた。

その代わり、わたしは、りぼんとなかよしを貸し出した。


兄は勉強脳ではないが頭がいい人だったと思う。

だって、ドラム叩けるし。

ていうか、一通り楽器出来るし。

私がギター弾けないから、Fが押さえられなくて諦めた人だから、(タブ譜とか、意味わかんなくない? 読める人は楽譜より簡単だと言うけど…そもそも自分はピアノやってたのに、譜読み苦手だった。)

だから、尚更羨ましかった。


兄はTVゲームの上手さがジャンルを問わず神がかってた。

シューティング、アクション、アドベンチャー、推理、シミュレーション、RPG、パズル、死角は無かった。

昔のゲームは今のゲームみたいに軟弱じゃなくてね。

画面はショボいけど、本当に難しかったんだよ。

今のロスジェネ世代の職能の基礎は、子ども時代のファミコンで作られてると思ってる。

実は結構自慢の兄だった。

本名ブログで身内に関して詳しく書くと迷惑がかかるから、これ以上あまり深くは触れない。


父なら、もう居ないからいいか?


それほど経済的に恵まれていない兼業農家の長男として生まれ、まだまだ弟妹たちに教育費がかかるということで新聞配達をしながら自力で夜学の高校、専門学校を卒業。

関西の電力会社に集団就職し、その後母とお見合い結婚。関東に戻る。

PC文化黎明期に、家電量販店でPC講師をする。

それは、お店側から求められたというより、父の先見の目で、これからの時代にはPCが必要だからと感じたから、自ら名乗りあげたとのこと。

…繋ぐ度に「ピーピーガーガー」言ってた頃ですよ。PC9801とかの頃? 確かその前駆となるハードも父は持ってたと思う。

店が潰れそうになったから、今度は精密機械の工場へ転職。

精密機械のメンテナンス。

全国津々浦々に出荷してたので、あちこち出張した。

海外の某国に行ったとき、国賓扱いされ、贅沢三昧して帰って来た。

…紙幣を印刷する機械のメンテナンスだったから、かな。

護身用に拳銃を渡された、と言っていた。


某国出張の際、生活費の口座に3万だけ残して旅立って行った。もともと観光する気満々で、浮かれポンチキだったんだろう。

給料日、1か月後だったのに…

母が、酷く憔悴していたのを今でも覚えている。


整備士免許も持ってたので、車を自力で魔改造していた。

ドアが開くと「ドアが空いています」とアナウンスが流れた。

スピードが100キロを超えると「スピードが出ています、ご注意下さい」とアナウンス。

そのほか数々の謎の機能を搭載し、車検の度にノーマルに戻すのが大変そうだった。


ものすごく古い長屋に住んでいたが、父がインターフォンを作った。アキバで買った部品で。毎回違うメロディが流れた。


友人との電話をよく盗聴された。

親としての監視ということではなく、完全なる、趣味、興味。

ある日、家の電話で、わたしが友達と話していたら、

「俺は○○ちゃんが悪いと思う。お前は別に悪くないんだから、謝る必要はない」

と、電話を切った後に言われた。

いや、お父さん、聞いてたのかよ!

書斎に籠って謎の研究か謎の道具作ってたんじゃなかったのかよ!

と…その時ばかりは私も怒った。


本来、ただのサラリーマンで終わるタイプじゃなかっただろう。

天才肌だったと思うけど、ただ不器用で、口下手で。会社で評価をしてもらえたから若い頃頑張ってたけど、いつもストレスで家でキリキリしてたし、怒鳴ってた。

やがて、父は大病を患った。

しかし、週に3回、1日4時間透析を受けながら、それでも家族を養った。出世コースからは外れたが。

両親の不仲のせいで家の空気は常に最悪だった。

度々、夫婦喧嘩で物が壊れた。

子どもの頃は父が全部悪いと思っていた。


もし、父の母親、私の祖母がエジソンの母タイプであったら、恐らく父はもっと、生きやすかったんだろうな。


でも、祖母は祖母で、子どもの頃から苦労し過ぎてたし、そのタイプではなかった。

いい悪いではなく、属性が違った。

諸事情で6歳で家督相続させられてるしな。

母親が、幼い頃蒸発して大人になってから戻って来てるし。


それならそれで、妻である母が、父を常に尊敬してあげたら良かったのかもだけど。

あまりにも、プライドをへし折り過ぎだった。

今考えると、ありゃあ、ないと思う。

一言多い、なんてもんじゃなかった。

切り刻んでいた。微塵切り。

わたしなら夫にあんなこと絶対に言わない。せめて、粗微塵切りまでにしておく。

もしかしたら、父より母の方が酷かったのかも知れない。

男のプライドを守るスキルがない女性は、結婚に向かないのだろう。

女性が自分より収入ある人選ぶのは自然な流れだよな。

自分が稼いだ方が早いって感じたら、そこにリスペクトがなくなる。

かといって、自分が稼いでも家事の負担について、社会の目はついて回る。何?やってくれるの?じゃあ、俺やらなくていいよな?と、図に乗った男がヒモになることもあるかも知れない。

パートナーシップが一番大事であるのは大前提だけど。


うちの主人は、すごくバリバリ仕事頑張ってるけど、職場で評価されてるけど、子育ては主体的にする。行事はちゃんと有給取る。

収入自体は可も不可もなく…だけど、今の時代で、夫の世代で、サラリーマンで、可も不可もなく、が出来るのはすごいと思ってる。

収入、二極化してるし。そのなかの真ん中って、上を見なけりゃすごくないか。

日々、コツコツ、淡々と頑張ってる。

…わたしには出来ない。


ナリくんとか本田晃一さんとかみたいに「稼いでるのにちゃんとパパしてる人」は、多分一般男性からしたら、異世界転生のチート設定だからとりあえず置いておくとしよう。あ、あと作家の荒川裕二さんとかもかな。


しかし。

母もキツかったんだろう。

小学生の子ども二人いる家庭で、3万だけ残して自分の給料持ってく、とか、そういう冗談キツイサイコパスっぷり。

どうすんだよ?

食費どんだけ切り詰めたって、光熱費やら給食費やらさ。

そりゃ、そんなコミュニケーションエラー起きてたら、カサンドラ症候群になるって。


というわけで、誰も悪くない。多分。

というか、どっちもどっちなんだよね。

父が亡くなってから、母は父を再評価し、少し尊敬するようになったように思う。



だからわたしも。



父だけでなく。

夫だけでなく。

男性として生きている全ての人に対する、尊敬の気持ちを忘れないようにしようと思う。



まあ、正直。

そういうわたしも、仕事出来ない、自分で稼いでない、結果出してない男は全く眼中にない。

男は厳しい社会の中で揉まれることでようやく自分の立ち位置を見つめることが出来る。

それ以外の方法を知らない。

うだつが上がらないんじゃ、偉そうなこと言ってても未成熟で、赤ちゃん。

似非のプライド打ち砕きたくなる衝動に幾度となく駆られることはあった。

稼いでない癖に、甘ったれてんじゃねーよ、テメェキ○タマついてんのか、と喉のすぐ奥まで出かかるが、慈悲の心で押さえ込んでいる。

そういやわたし、福祉の仕事してたわ。それを言っちゃあ、おしまいだねっと。

(すまん、誰かを傷つける目的ではなく男避けに書いてるだけなんで。弱い男に絡まれ易くてマジ超うぜぇ…やれやれ)




あ、

男女問わず、カサンドラ症候群になる人は自分のなかの女性性不足に気が付いた方がいいと思う…という自論はまた別の機械に…じゃなかった、機会に。