2017.11.12
個人の特定を防ぐため、一部フェイクを入れています。
その日は、珍しく年相応に近い、年齢の高めの彼女に会えた。それでも、思春期だろうけど。
いつも突然、何の脈絡もなく彼女の話題は飛ぶ。
昔のテレビ番組…8時だよ全員集合…の話を私に振ってきたので、懐かしい気分で私はそれに答えた。
私「覚えてますよ。…色んなアイドルが出てたりもしますよね」
Aさん「…いやだわ、こんな話したら年がばれちゃう」
なんて、自分でその話題を振っておいてそんなことをいうものだから、
私「いいじゃない。同世代トークしましょうよ♪」
と私は答えた。
今思えば、それがスイッチだったのかな。
それとも、前の日にした私との会話かな?
Aさん「はんがいさん、二つに髪の毛結んでくるなんてめずらしいじゃん」
私「あはは。…いいとししたおばさんがおさげなんて微妙かな~とおもったんだけどね。笑 でもね、逆に考えたの。おばさんなんだから流行とか気にしないで好きな髪形しちゃえばいいじゃんてね」
そして言ってしまってから気がついたんだけど、そういえば私Aさんのひとつ年下だったーーーー!![]()
OH NO!
年上の方を前に年下が、年齢的自虐発言をしたら失礼だよねえ…。
ほんと私って福祉の人間としてのセンス0だ…orz
しかしその会話で、結果的に彼女は我に返ったのだからまあいいとしよう。
彼女は自分の本当の年齢を思い出した。
ん?…やあね、わざとよわざと。(嘘)
作業中、最近のテレビの話をする。
これは、解離してないとき。
解離していると、精神年齢は下がる。
その時によって。
高校生ぐらい、小学生くらい、そして、幼稚園児くらい。
前の日は、NHKの教育番組の話を延々としていたし、両親をパパ、ママと呼んでいた。
主に、父親、もしくは母親に酷く怒られた時にそうなるのだと私は考えている。
Aさんの話はあいかわらずとりとめの無い話ではあるのだが、その日の話は、面白かった。
特に警察24時に出てくる麻薬取締官の物真似が秀逸だった。
ちゃんと話の起承転結があった。
周囲の利用者さんも、彼女の話を楽しそうに聞いていた。
いつもでは考えられないことだった。
(いかに彼女の寝言の羅列をかわすかというのがいつもの周囲の利用者の態度であり、彼女の話の支離滅裂さは、言葉のサラダである。それが無理もない状況であった)
そして、おもむろに家での状況を語りだす。
いつも、2階の自分の部屋でテレビをみていること。
1階に降りていくと父親が理不尽に怒るから、いつも上にいること。
「お父さん」はとても暴君であること。
「お母さん」も、Aさんも、その性格は変わることがないとあきらめながら一緒に住んでいること。
しかし、「お父さん」は多趣味で友人が多く、よく家には客人がくる。
家にはピアノと電子ピアノがある。
ピアノは最近使っていないが電子ピアノは「お父さん」がたまに弾くとのこと。
昨年がんを患い手術した「お母さん」は、術後の経過は悪くないが、薬が増えたこと。
そこで、ふと疑問に思ったのでわたしはAさんに聞いてみた。
私「お薬が『増えた』ってことは、お母さん、前から何種類かお薬飲んでたの?」
彼女は、やや面食らいしどろもどろになりながら、それでも正直に答えてくれた。
Aさん「うん。関節リウマチだったの。だいぶ良くなったみたいだけど…」
OH!なんてこった…。
がんだけじゃなくリウマチまで…どんだけ自分を責めれば気が済むの?
「お母さん」…。
私はひたすら泣きたくなった。
私「そうかあ…。その病気になる人はね、とっても頑張り屋さんなんだよ。…Aさんのお母さんは本当に頑張り屋さんなんだねえ」
それを聞いたAさんも、わたしににつられたのか、泣きそうになった。
Aさん「そうなの。お母さんはずっとずっと頑張り屋さんなの。ずっと頑張ってきたんだよ」
私はその美しい彼女を久しぶりに見た。
お母さん、だめだよ。
お母さんかわいそうって、子供に思わせちゃ、だめなんだよ。
そんな想いまでして、ご主人と添い遂げなくてよかったのに。
なんてね。
他人の人生をとやかく言う資格なんて私にはないか。
…Aさんとラポール、築けたかな?

