ユーチューブに映画「日本のいちばん長い日」があったので、久しぶりに見ました。
基本的には史実どおりに描かれていると思いますが、とはいえ、細かいところで巧妙にプロパガンダが混ぜ込まれています。
ポツダム宣言は無条件降伏の勧告ではなく、条件付き降伏の勧告でした。このことはポスダム宣言の原文を読めば明らかですが、なぜか無条件降伏の勧告だったことにされています。
東条英機を必要以上に悪徳に描いたり、アメリカの非道を問題にしていなかったり、いろいろとプロパガンダが盛り込まれていて嫌になります。大西瀧次郎中将の描き方にも偏見があると思います。なにしろ原作者はアメポチ作家の半藤一利なので、どうしようもありません。
とはいえ、昭和天皇や鈴木貫太郎総理や阿南惟幾陸相の様子はうまく描かれていたと思います。また、宮城内部の様子や御前会議の様子なども興味深いところでした。
阿南大将が割腹するシーンは、前作の三船敏郎の演技の方が迫力があったように思います。
いずれにしても停戦は、右手で戦いつつ、左手で握手をするという困難な交渉ですから、苦労するのは当然のことです。陸軍が戦いをやめてしまえば、アメリカ軍は無人の荒野を行くごとくに東京を占領し、無条件降伏を達成したでしょう。本土決戦の準備は決してムダではありませんでした。たとえて言えば、江戸無血開城の談判に当たり、勝海舟が江戸城下を焼き払う下準備をしておいたようなものです。
アメリカは、もはや日本に戦う力が無いと知りつつ、原爆を投下し、無差別爆撃を繰り返した非人道国家です。そして、占領期においては国際法違反の行為を繰り返し、勝手に憲法を改正し、各種法令を改悪し、裁判に口を挟み、検閲とプロパガンダを執拗に繰り返し、公職追放と焚書で日本人を沈黙させました。占領期においては、アメリカ軍将兵が好きなように日本国民を殺し、掠奪し、犯しました。日本国家が主権をうしなったので、日本国民の人権を守る組織が消滅していたのです。
そこのところこそ肝心なのですが、決して描かれません。それが残念です。占領期こそ最悪の時代でした。終戦で直ぐに平和になったわけではありません。
