戦後の日本では治安維持法ほど悪名の高い法律もない。この法律に基づいて特高警察や思想検事が言論弾圧をしたというのがその理由である。

私も長い間そう思ってきた。しかし、今では再確認の必要があるのではないかと感じている。それというのも、戦後の日本では様々な歴史の嘘がまかり通ってきているからである。そもそも極東国際軍事裁判の判決は予断と嘘の集積みたいなものであり、南京大虐殺の嘘、従軍慰安婦強制連行の嘘、沖縄における集団自決強制の嘘、等々、嘘があまりにも多い。

治安維持法、特高警察、思想検事にまつわる様々な悪評も、いわゆる戦後左翼による一連の嘘なのではあるまいか。私はそんな疑いを持つに至った。

大日本帝国は防共国家だった。共産主義の蔓延を防ぐため、内地には治安維持法を施行し、満州国を建国し、支那事変を戦った。東洋の赤化を防止しようとしたのである。防共政策そのものが誤りだったとは私は思わない。共産主義と立憲君主政体は共存し得ないからである。

大東亜戦争の敗戦後、日本社会は共産化した。占領軍の総司令部にはアメリカ人の共産主義者がたくさんいたのである。ルーズベルト大統領のスタッフの中にもいた。アメリカでマッカーシズムが起こるのは昭和二十五(1950)年以降のことである。

防共の歯止めを失った戦後日本は、すっかり左傾化し、様々な歴史の嘘が世論を蔽っている。その嘘の一環が治安維持法悪玉説ではあるまいかと疑いたくなったのである。

泥棒や殺人犯にとって刑法は悪法であろう。同様に、共産主義者にとって治安維持法は悪法であったろう。極右の国家主義者にとっても治安維持法は悪法だったろう。しかし、一般市民にとってはどうだったのか。

もちろん私にはよくわからない。だから、調べてみたいと思っているだけのことである。