野生動物と人間の関係を
いろいろ、めぐるうちに


「生類憐みの令(しょうるい あわれみのれい) に出会いました


江戸幕府の
第5代将軍・徳川綱吉が発した一連の、生き物の殺生などを禁じた法令の総称です


綱吉は、幼い頃から儒学を学び、仏教を信仰していたと言われています


綱吉の治世は
1680年(延宝8年)〜1709年(宝永6年)


今年は、私の意識のせいか 

野生動物たちが
人間の住む場所に出没するニュースが多いように感じられます

最近も、捕らえられ殺された野生動物がいました


綱吉の野生動物についての法令には、次のようなものがあります


熊や猪、狼などが人間の飼育している牛馬犬猫鶏などの鳥獣に危害を加えても、傷つけずに追い払うように、という法令(1695年)

(資料、ネットから借用)

さらに、追い払うときに、誤って死に至らしめたときは「苦しからず候」、つまり、支障がないとしています


故意でなければ、罪に問わないのは、ほかの法令でも見受けられます


布令が出されるということは、そうした事例が多々あったということでしょう


以下、興味ある法令について、下記資料を参考に書いてみました

1.『日本の歴史16元録時代』(児玉幸多氏執筆)
2.「Wikipedia」
3.「日本初の歴史戦国ポータルサイト BUSHOO!JAP AN(武将ジャパン)」


「生類憐みの令」に連なる最初の法令が、いつ出されたのか定かではないようですが


1685年には
「馬の筋をのばして形をよくするのは武用にもたたず、不仁でもある」(児玉)と、禁令が出ています


「このころ、馬の尾を縄で巻いたり、尾さきを焼いたりして形を作ることが流行したとみえて」(児玉筆)それに対する禁令が、何度も出されているようです


人間の勝手な都合によって
動物に無益な苦痛を与えないように、ということだと思います


不仁(フジン)とは、慈愛心のないこと


翌1686年、犬などの生類を憐むようにという法令が出されます(児玉)


1987年2月、法令が間違って伝えられ、行方不明の犬を探さず放置していることなどに対し


「犬が見えなくなったならば ほうぼう探してたずねだすように。また他所の犬がきたならば、大事に養っておいて、主の知れしだい返してやるように」(児玉)と命じ直しています


現代でも通用しますね!


綱吉の出した法令は、「はじめは不仁を禁ずる程度」だったものが、1687年になり「厳しくなった」(児玉)ようです


1687年正月
「人宿または牛馬宿などで、重病の生類を死なないうちに捨てることを厳禁し...貧賤で養えないものは届け出るよう命じた」(児玉)


同年2月には

「食料のために魚鳥・亀・貝類を飼養して売ることを禁じ、娯楽のために飼うことは許可」(児玉)


違反した者は

「新井白石の言うところによれば、一禽一獣のため一身は極刑に陥り、一族一門まで罰せられ、そのほか流罪・追放になって安らかな生活をすることができず...」(児玉) と、その厳しさを伝えています


子捨てや病人を捨てることの禁止もあります
当時は、間引きなども行われていたようです


「動物に芸を仕込んで稼ぐことの禁止」や「鷹狩りの禁止」については

いま気にかかる問題なので
改めて書いてみたいと思います




「犬公方」と言われた綱吉

犬を、特に大切にした由因は諸説あるようですが、この時代には、犬を食べる習慣もあったようです


野犬たちをも養う広大な「犬小屋」と呼ばれる施設を設け、管理者や医者を配置しています


綱吉は、自分の死後も、「生類憐みの令」を残すよう伝えたようですが、子捨てや病人捨ての法令は残し、あとは廃止されたようです


生き物に対する仁愛を
極度な形で表現した綱吉


悪法と言われる法令ですが、綱吉の、生き物への慈愛精神は、現代に通ずる教えに思えます


動物の内臓、皮、ツノ、ヒレなどの、売買を目的とした残酷な殺戮や

たくさんの方々が声を上げている繁殖犬(猫)などに代表される"生き地獄"が

現在、私たちの消費の背後にあります


果てしなく欲望を肥大化させるシステムを前に立ち止まりたい


「因習にとらわれずに思いのままの政治をした綱吉」「農政に心を入れて民を苦しめないように命じた」(児玉)  綱吉でもありました


別の側面で言えば
こよなく能を愛好し、途絶えていた能の演目を多数、復活させた将軍でもあります


下記の本、参考にさせていただきました

(1980年・第6版、中公文庫)

(1997年刊、石川英輔著、講談社文庫)


お訪ねしている下記のrekishikyoshiさんのブログにも、お世話になりました




皆さま、今日もご訪問
有り難うございます

朝晩に、秋のおとずれを感じます

庭の写真は、チョウマメ
先日の台風前には
葉枯れしていましたが復活、強風が虫払いをしてくれた感じです


最後に、俳句本の古い紹介記事を...

いじめを受け、登校しないことを選択した小学生「ランドセル俳人」小林凛さん

俳句によって、整える心が、感じられます

「春の虫 踏むなせっかく 生きてきた」(8歳)

(2013.6.15 沖縄タイムス紙面)

動物たちの心を殺さぬ社会を祈ります
皆さま、お元気で!