あの日   ルルは
身ひとつで
我が家にやってきた

そして
私たちの天使になった
                 (火葬の朝に)

その朝
車庫の前に
一匹の痩せた犬が
立っていた

ちょっと  おどおどして
でも  どこかしら 
やさしさを待つように

シーチキンを差し出すと
食べて
後ずさり

ルル、という名前が
空から降ってきて
呼んでみたら
小首を傾げた

近づいて
お手、の仕草で招くと
そおっと
細い手を差し出した

やがて
子鹿のバンビのような 
ルルの
軽やかな足音が
我が家の潤いとなった
                    (出会い)

ご飯を食べられなくなって
力がなくなって
痩せていって

さみしかったけど

ひとつ だけ
嬉しかったことがある

私の腕に
まるで人形のように
抱かれてくれたこと
           (ルルを抱く)