総合診療科が増えるとどうなるのか? | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

国は、なんでもみられる医師を養成しようとしている。それが総合診療科医師である。総合診療科が増えると、たしかにあちこちを受診しなくてもすむようになる。医療費の削減につながるのは事実であろう。

 

しかし、その一方で、医療レベルは下がってくる。今の日本の医療は、最高レベルの医療を維持している。それは狭い分野の領域のプロだからできることなのだ。なんでも対応しなければならなくなると、個々の技術は下がってくる。対応できない患者が激増することだろう。

 

病院にいろいろな医師がいるのであれば、開業医が対応できないものは、とりあえずそちらに送ればよかった。あとは適当な専門の医師が対応してくれるからだ。

 

しかし、個々の病院も医師不足になり、そう簡単にはひきとってもらえない。そうなると、開業医がその患者とともに自滅せよという方向にいくかもしれない。

 

医師が非常に不足しているなかで、総合診療医に向かう人が多くなれば、専門領域の医師が不足してくる。自分が得意ではない領域の医師を、自分ひとりで抱え込まなければならなくなる。もちろん、緊急性のない患者はそれでもいい。しかし、緊急性があった場合には、紹介先がなくなり苦しくなってくる。

 

総合診療科の人気が出て、そちらの医師が増えるということは、その一方で、専門の医師が減るということにもなりかねない。少ない医師のパイを奪い合っているだけなのだ。