いろいろな症状で受診してくる人がいる。診断し、適切な薬をだして、治すことは簡単である。難しいのは、患者に説明することだ。
たとえば、咳がとまらないと患者が受診してくる。咳をとめる治療は難しくない。しかし、普通の咳止めをまったく使わないので、それを納得してもらうのがやっかいである。黙ってこの薬を使ってもらえば治るのだ。説明しようとすると、何が起こって、なぜこの薬が効くかを話さなければならない。それがなかなか素人には理解できないからである。
咳がするから咳止め。これはもっともわかりやすい。しかし、その治療では治らない。だから、咳止めださずに、他の薬をだす。それが患者には理解できない。
そんなジレンマを感じている。
咳の原因がなんであるかを見抜くのは簡単であり、治すのも簡単。それを説明して理解してもらうのが難しい。
説明して理解してもらわなければならないと思っていたが、ふと疑問に思った。はて?漢方薬を処方する医師は、なぜこの漢方が効くのかを説明しているだろうか。説明しようとすると、理論が難しすぎる。多くの医者は、咳に咳止めという形で処方し、漢方がなぜ効くのかなどは一切話さないのではないだろうか。
いちいち説明する必要はないのかもしれない。ただ、患者に信頼して使ってもらうことが重要なのだ。飛び込みできた患者に薬をだしても、不信感をもたれてしまえば、まず薬を使ってもらえない。そうなると治らない。
患者の理解がないと、病気を繰り返す原因にはなりえる。このため、なぜ悪くなるのかを必死に説明するのだが、理解力のない人にはちんぷんかんぷんであろう。それなら、とにかく使ってもらえばいいのだが。