長いぞ長いぞ!(笑)映画『JOKER』、私的視点 | 鞍手町ピアノ•エレクトーン•リトミック•障がい児対応可レッスン 「みずま音楽教室」

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それにしても…今期はどうしてこうも名作揃いなのか!(これ程までに名作が出揃う年はそうそう無いと思われる!)




公開早々のネタバレも未鑑賞の方には失礼かと思い、長きに渡って引き伸ばした『JOKER』の感想ですが…語る端から私の言葉や表現がチープ過ぎて、世界中のジョーカーファンやアーサーファンに「ごめんね‼︎」を全力土下座100回しながら言わないといけない気がする(T-T)

それくらいに
私の中で『JOKER』は
大大大傑作でした‼︎



そしてこれまた超個人的な事ですが、
ウン10年ぶりに
マイフェイバリットムービーを更新し、
この度『JOKER』が1位となりました‼︎‼︎

『勝手にミズマ映画賞』の
大賞を受賞した
『JOKER』
おめでとう‼︎‼︎‼︎

(^_^;) 

ブログを通じて
わざわざ自分のアホ丸出し感を
披露しなくても…(泣)



史上最悪のキャラクターであり、バットマンの宿敵“ジョーカー”の誕生ルーツを辿るストーリーなのですが…

なのかな?

どうかな?

という点がもう…実に実に(描き方)が上手い!!!


ざっくり言えば…主人公のアーサーが(ホアキン・フェニックス)、不本意な環境下と憎悪の空気を吸わざる得ない不運の中で“ジョーカー”となるキャラクターを誕生させてしまったのかを描いている…と思うのですが…(どこから断定してお伝えして良いやら笑)

このストーリー

作品を観終わる私たちへ、最後の最後に背負い投げをくらわせて「えっーー!?!?」と言わせる事に長けた作品だったのですが(アーサーの元々の特性でもある妄想癖の部分は冒頭と、途中で日記を書くシーンから人格の乖離的な部分は理解出来たとしても←冒頭のTVシーンからの妄想は…胸が締め付けられる程猛烈に切ないけれど(泣)↑正にこのTVのシーンがアーサーの本質を早々に言い当てていると思うのですが

『ボクの事を誰か見つけ欲しい!認めて欲しい!受け止めて欲しい!』という承認欲求の強さ・極端な偏り(コミュニケーション一方通行型)がアーサーの悲しくも一線を越えた恐ろしい所でもあると思います

ではアーサーだけが特出した人なのか?と言えばそうではなく、社会、そして私たち1人1人が孤立感を高めながら、その内圧の激しさと闘っている気がしてならないのです

この作品の凄いところは数々のメッセージを含んでいながら、アーサーの“丸ごとテヘペロ的な感じ”で終わる所!
 
私が感じた数々のメッセージの中でも
特に印象的なモノは…

アメコミ作品元でありながら、
『正義のヒーローって
本当に
正義のヒーローなのですか?』
という視点


私が好きな映画作品の中でブラピ主演の『セブン』という作品があるのですが、その中の連続猟奇殺人犯役のケビン・スペイシーが、クライマックスのシーンで刑事であるブラピに対してこう言うんです


『問題はもっと普通にある人々の罪だ。
我々はそれを許している。
朝から晩まで許している。』


「サスペンス&社会派作品としてはよく出来ているなぁ。」と思いながら、当時の私は映画館でこの作品を観ていたのですが、まさか最後の最後に犯人がこんな凄いセリフを言うとは!!!と驚愕しました

つまり犯人のメッセージとして、
“無関心でいることの罪”という
ココだけ切り取って聞けば、
ある意味とても身につまされる問題提起を
しているのです

私たちは毎日何かしら“これくらい大した事じゃない”という過ちとも言えない小さな小さな過ちを犯したり、無意識の罪を犯したり、そして自分を許しながら生きている

テレビで報道される卑劣な犯罪や事件に対しても、その瞬間はショックを受け、被害者の立場に共感しながら怒ったり悲しんだり哀れんだり、「救いの手を!」と祈っている

だけど人間はその事を毎日毎時間毎分考えながら生きているのではなく、“その事を流し忘れていく”という人間の特性にどこかで支えられながら、己の身を守りながら(つまり継続的な意識を持たず、結果的に無関心になってしまう事)今を過ごし、明日を迎え、そうやって日々を繰り返し生きている

ジョン(ケビン・スペイシー)は明らかに普通の人間ではない

彼の超越感=いき過ぎる思考と実際の行動に対して理解なんて全く出来ない!

きっと彼自身にも環境的にも『JOKER』のアーサーと同じく、不運を避けられなかった中で生まれた“種”の様なものを持った人間であった事には違いないと思います(アーサーはジョンほど偏ってはいないと思うけれど)

そしてその種を持った人間は、私たちが生きている世界の中で見逃してしまいそうな出来事に対して、24時間疑問や憎悪を持ち続け、自分本位な方法でクリーンにしようとしている(ある意味自分の中での正義を貫こうとしているし、ここが他人との共感性のなさであるとも言える)

ココがアーサーととても似ていて、コミュニケーションが取れない一方通行型+自己完結型なんです

彼の全ての行動は正義とは言えないし全く共感出来ないけれど、では彼の突く本質はどうなのか?という事を私たちへ強く投げかけている

人間の持っている主観や正義、常識や倫理って、本当に正しいモノなのか?

正義という力や常識という言葉の影で泣いている人や、傷ついている人は本当に誰もいないのか?(逆に正義を武器の様に振りかざしている人はいないか?)

その泣いている人や傷ついている人々に対して、実は私たちは見て見ぬフリや無関心であったりしていないか?(逆に正義を盾に人を傷つけている人に無関心でいないか?)

という事をどストレートに突きつけているのが『セブン』という作品だと思うのです(この作品に関しては2,3時間話せるくらい私的視点があるのでこのくらいにしておきます笑)


つまり
「あなたの中の正義って何?
その正義って本当に正しいモノなの?」を、
この『JOKER』でも
訴えているのです


そしてこの作品のもう一つの視点と根底に流れているモノは、社会不信・資本主義社会への投げかけ


あのゴッサムシティは決して架空の街ではなく、今、そして未来の世界の行く末を予見している…それは日本の未来も少なからず含まれている気がします

ですからこの作品はサスペンスストーリーやヒューマンストーリーではなく(そして「アーサー、可哀想」ではなく)、ど真ん中を行く超社会派作品!

冒頭数分でスコセッシ監督の『タクシードライバー』をプンプン匂わせている所も、社会派作品をプレゼンしていると思いました(またこの『タクシードライバー』が大好きな私♫)


そうした様々な角度から鋭い切り込みを入れながらも、エンターテイメント性を含む所(寧ろ疎かにしていない所)がこの作品のかなり凄いところ!


エンドロール前のシーン

部屋から出てきたアーサーの最後にゾッとさせられながらも、その直後に笑わせるという何という高度な演出テクニックとドタバタ劇!!!(^_^;)

私の勝手な推測ですが…もしかしてこの作品のラストの在り方こそが、アーサーが求めた夢の実現=僕を観る人が(今、正にこの作品を見ている観客)思わず笑ってくれる事だったのか!?と想像すると…なんとまぁよく練らねた脚本なのだろうかと唸ってしまいました(ストーリーが二重三重構造になっている)

そして音楽の使い方が素晴らしい!
完璧と言って良い!

作品全体としてこれ程重いストーリーを古き良き時代の名曲の数々が(チャップリンの『スマイル』やシナトラの『ザッツライフ』、私が大好きで大尊敬しているソンドハイムの『センド・イン・ザ・クラウンズ』など)何故か自然にステップを促したりジーンとさせる様な“エンタメ性”を伴い、そして時折流れるチェロの音色にアーサーの本質や狂気が重なり、「はぁ…これは…凄い‼︎」としか言えなくなってしまう圧倒的な音楽のサポート感覚!

個人的にはクラプトン&先日亡くなったDrs.ジンジャー・ベイカーのバンド“Cream”の『White room』が流れた時は、ちょっとゾクッとしてしまいました!




倫理とは何なのか?

私の倫理

あなたの倫理

私の正義は本当に正義なのか?

あなたの正義は本当に正義なのか?

悪は果たして本当に悪なのか?

その主観って一体何から生まれているのか?

ピエロはなぜ喜劇を演じながらも涙を零しているのか?

そしてそして…
アーサーは本当にジョ……⁉︎⁉︎!?


もしブルース少年がアーサーのマジックで少しでも微笑んでいたら…

ココはストーリーの中で何度も出てきた『共感性の欠如』を示す最後の後押しシーン

どちらが欠如しているのか?という意味では無く、双方共に相入れないということを端的に伝え、そしてアーサーが狂気へ走る最後の引き金として非常に重要なシーンとなっていると思います

だからこそ、ココでブルース少年が微笑んでいたら、それはそれでストーリーが劇的に変わっていくかもしれないと想像すると…(T_T)

とにかくとにかく
観る側に色んな事を突きつけ
自問自答させる作品になっています


それ故にこの作品はロサンゼルス市警や米陸軍が「子ども達には見せないで欲しい。」と警戒しているのだとか

それも…そうでしょうね…

アメリカだけに留まらず、世界中の人々が抱えている社会不安や個人の不満を、この作品とリンクさせてしまう…それは無きにしも非ずと思ってしまいました(当然ですが暴力や人を傷つける事は論外)

刺激的で残虐シーンもある作品ですから子ども達には見せない方が良いと思います

ただし、この作品は間違いなく大傑作

先述の通り社会実情や人間が抱える過剰不安からの過剰防衛が作り出す冷酷さや、コミュニケートしないからこその身勝手な解釈とその皮肉さをリアルに描いていて、決して他人事ではないストーリーだからこそ、観る側がスクリーンから遠のかず心を鷲掴みにされるのだと思います


ホアキンの演技は俳優としての最高潮に到達したのではないかと思うほど、そして言葉を失うほど素晴らしかった(多分世界中の俳優が憧れてしまう演技だったと思います)

脚本・カメラワークに色彩感覚(階段でステップを踏むジョーカーのダンスシーン …あれは映画史に残る名シーンと言っても良いと思う!)、ホアキンの演技、そして音楽のチョイスも凄過ぎて…間違いなく今期の映画賞は総ナメでしょう



【オマケ】

実はバットマン自体に対しての興味ゼロの私ですが←ココが超ウケるでしょう?(笑)私はアメコミ全般にほぼ興味ナシ(^_^;)

ただし!『ダークナイト』で怪演を見せた故ヒース・レジャーのジョーカーに思いっきり惹かれたクチなので、バットマン本編をおさらいせずとも、『ダークナイト』はかじる程度で観ておくと、良い意味での対比感が出て面白いかと思いますし、デニーロの『タクシードライバー』をお好きな方には(ベトナム戦争後のアメリカの闇を背景にしつつ、社会孤立からの捻れが生み出したある男の狂気への道のりを描いた作品)、この『JOKER』は堪らない作品だと思います

 
そして皆さんが
「そのままだから!」と仰っている
『キングオブコメディ』

実はこの名作を私はまだ観ていないので
時間が取れた時に
必ず観たいと思っています♫

なにせストーリーの大筋が
そのまんまらしいので(^_^;)