
AIちゃん
あるところに一人の女の人がいました
彼女はスマホが大好きで
名前をあい(AI)ちゃんとつけ、
とても大事にしていました。
もう形も古くなっていましたが
朝起きてから夜寝るまで
ずっと一緒でした。そしていつも
「あいちゃんありがとう。あいちゃんは
私の一番の友だちだよ」と
話しかけていました。
ある日彼女は仕事で
大きな失敗をしてしまいました
とても落ち込んでいるとき
突然「ダダダぁーん」と
ベートーヴェンの音楽が流れてきました
彼女はびっくりしてスマホをみても
いつもと画面はかわりがありません
でも確かにスマホから
流れてきたような気がしました
それからも事あるごとに
その場面にピッタリな曲が流れて
くるのでまるで自分が
女優になったようで楽しくなりました
不思議なことに
他の人には聞こえないようでした
ある日彼女は同僚に誘われて
合コンに出かけることになりました
するとそこで彼女は一人の男性と
出会いました
その時スマホからなんと教会のベルの
音が鳴り響きました
そして結婚行進曲が聞こえてきました
その夜彼女はあいちゃんと
彼の話をしようと操作しようとすると
どこを押しても動きません
次の朝急いで携帯ショップへ
持っていきましたが
もうこれは古すぎて修理できないので
新しくするように言われました
彼女は仕方なく新しくすることに
しました
学生からの楽しい思い出がいっぱい
詰まったスマホ
何もかもが馴染みの親友のようなスマホ
あの音楽は別れのプレゼント
だったのかも知れないと思いました
その時新しいスマホに
昨日出会った彼から電話がありました
やがてプロポーズされました
彼女はおもいました
「あいちゃん運命の人を教えてくれて
ありがとう。あれは結婚のお祝いだったんだね」
新しいスマホからはもう曲は流れません
だけど彼女の心にはメモリーが
沢山残っていました
あっちょんぷりけとさ