「ひしお」をご存知でしょうか![]()
「ひしお」は麹と塩を利用した発酵調味料で
現代の味噌や醤油の原型と考えられています
「ひしお」味噌のルーツと万葉びとの食卓
中国から貴族社会へ
「ひしお」は漢字で「醤」と書きます
もともとは遣唐使や遣隋使によって「醤(じゃん)」として
伝わりました
それが日本の貴族社会に取り入れられられて独自に発展しました
701年の「大宝律令」には「主醤(ひしおのつかさ)」という官職名が登場します
これは宮中の食事を司る「大膳式」の中に置かれた
「醤」を専門に扱う部署でした
万葉集にみる「食いしん坊」な和歌
万葉集には長奥麻呂(ながのおきまろ)という人物が詠んだ
「ひしお」にまつわる和歌が収められています
醤に蒜(ひる)つきかてて
鯛願ふ
我にな見えそ 水葱(みずなぎ)の羹(あつもの)
現代語に訳すと
ひしおとお酢を混ぜた物に
野蒜(にんにくのような香りの野草)を入れ
鯛を食べたいなあ
と願っていたのに出てきたのは
(苦い)ミズアオイの吸い物か
ガッカリだ![]()
ミズアオイ
当時、宴の席では羹(お吸い物) は最後に出されていました
ご馳走である鯛を期待していたのに、さぞ落胆したことでしょう![]()
長奥麻呂について
作者の長奥麻呂さまは柿本人麻呂と同時代に生きた下級官吏です
万葉集によると長奥麻呂さまは
・699年には文武天皇と難波行幸に
・701年には文武天皇と持統上皇の紀伊行幸に
随行されています
歴史の表舞台で働きながらも、食べ物のことで
一喜一憂する人間味溢れる方だったようですね![]()
そんな「ひしお」を作ってみたいと思います
「ひしお」と「醤油麹」のちがい
「ひしお」に似た物に「醤油麹」
があります
「ひしお」と「醤油麹」はどう違うのでしょう
材料のちがい
「ひしお」は豆麹と麦麹を合わせたもの(ひしお麹)を使います
「醤油麹」は米麹を使います
味の特徴
「ひしお」はタンパク質が豊富なので発酵によりアミノ酸が多く生成され
圧倒的な旨みと深いコクが特徴です
「醤油麹」は米麹由来の甘味が特徴で、甘い醤油のような味わいです
旨みと酵素力
「ひしお」は「醤油麹」よりも旨みの量や酵素力が優れていると考えられています
酵素は高温で死滅してしまいますから
どちらも加熱しないで使いたいですね
「ひしお」を作る
「ひしお」は大豆麹と麦麹を合わせた「ひしお麹」
で作ります
麦と大豆の形が残ってますね
「ひしお」の材料
今回私が作った「ひしお」の材料は
ひしおの糀 280g
醤油 300ml
水 150ml
です
一般的な醤油を使いました
「ひしお」の作り方
①消毒した容器に全ての材料を入れ
よく混ぜる
②蓋を閉め
発酵メーカーがない場合は1〜2週間常温に置き
毎日かき混ぜる
発酵メーカーを使う場合は
55°で10時間
でセット
私は発酵メーカー
を使いました
10時間後出来上がり![]()
大豆麹が柔らかくなっていたら完成
③お好みで、ブレンダーなどで滑らかにします
醤油の香りですが見た目は信州味噌のよう
「ひしお」は醤油の香りの味噌
「醤油麹」は味噌のコクがある醤油
という感じがします
(私の個人的な感想です
)
長奥麻呂さまが召し上がりたかった物
長奥麻呂さまが期待された料理を作ってみました
「ひしお」とお酢、にんにくと万能ねぎを入れてタレを作り
鯛と和えました
長奥麻呂さんと食べたい![]()
甘酸っぱくて、コクがあるしょっぱさが
にんにくやねぎの力強さを引き立てて美味しいです
これをご所望なのに苦い羹が出てきたら、私もガッカリすると思います
長奥麻呂さんに親近感がわきました![]()
「ぬた」に似ていますね
蒸し野菜や魚とも合いそうです![]()
最後までご覧いただきありがとうございました😊






